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J1第26節第1日は23日、各地で6試合が行われ、横浜のDF中沢佑二(30)が国立競技場で行われた川崎F戦で“全得点”を記録した。前半42分に右CKを頭で合わせて先制点を決めると、後半27分には相手の左CKを頭でクリアしようとしてオウンゴール。それでもチームは1―1で引き分けて13位に浮上し、神奈川ダービーはボンバーヘッドの独り舞台となった。

良くも悪くも存在感は抜群だった。先制弾とオウンゴール。中沢が国立競技場のネットを2度も揺らした。前半42分に狩野の右CKを頭で合わせて今季4点目を決めると、後半27分には相手の左CKをクリアミスしダイビングヘッドで自陣ゴールに突き刺した。「“もう1点取ればハットトリックだったね”と(栗原)勇蔵から言われた。笑えませんね」。試合後は複雑な表情で頭をかいたが、今季26試合27得点と得点力不足に悩むチームでボンバーヘッドの“決定力”は際立っていた。

 もちろん本職の守備でも貢献した。試合開始時のチームのシステムは3バック。3トップの川崎Fに対して最終ラインの人数が同数になるため、中沢は前半途中に木村監督に布陣の変更を申し出た。ハーフタイムに要求が聞き入れられ、後半開始から4バックに変更。経験に裏付けられた冷静な判断が守備に安定感をもたらし、後半35分に小椋が退場して10人になる劣勢もはね返した。視察した日本代表の岡田監督も「オウンゴールは仕方ない。プレーは安定していた」とうなった。

 中沢は昨年9月2日の柏戦でオウンゴールを記録し、チームは0―1で敗戦。1年前の悪夢が頭をよぎる中、後半33分にジュニーニョの突破をスライディングで止めるなど、最後まで集中力を切らさなかった。「今までのオレなら落ち込んでいたけど(オウンゴールで)逆にやる気になった。10人で引き分けたし、相手の方が悔しい気持ちが強いと思う」。貴重な勝ち点1を積み上げ、チームは13位に浮上。大黒柱がフル回転し、トリコロールの名門がJ1残留争いから一歩抜け出した。
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