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J1で12位に低迷する横浜は24日、岡田武史監督(50)の辞任を発表した。同監督は23日の大宮戦で敗戦後、クラブ側に辞意を伝え、クラブ側もこれを了承した。後任監督には、横浜と前身の日産自動車で活躍した元日本代表MFの水沼貴史コーチ(46)が昇格する。

 就任した03年から2年連続Jリーグを制するなど、輝かしい経歴を誇る知将が、4年目のシーズン半ばで辞任することになった。チームは現在、12位と低迷。岡田監督は「勝負に対する執着心が薄れてきた。チームと選手には迷惑をかけられない」と決断の理由を語った。

 今季は開幕4連勝の後、15試合でわずか2勝。優勝が難しくなった7月26日の磐田戦で敗れた後に進退伺を提出したが、クラブ側に続投を促された。だが19日の最下位・C大阪戦に完敗すると、今度は辞任を申し出た。この時も慰留されて23日の大宮戦に臨んだものの連敗。プライベートに不幸があったことも影響し、試合後に「もう無理です」とあらためて辞意を伝えた。「ファイティングポーズが取れるか」を監督の条件の1つに挙げていた左伴繁雄社長は「勝負への執着心が薄れたと言われたら受け入れるしかなかった」と話した。

 失速の原因について岡田監督は「チームマネジメントがしっかりできなかった」と体制づくりの失敗を挙げた。昨季も9位に終わり、優勝を誓った今季は自らスタッフを代え、選手補強も希望通り。だが故障者が続出し練習での緊張感も薄れ、求心力が低下。監督批判を口にする選手も出て、チームは一体感も方向性も失った。過密日程の最中の辞任は極めて異例だが「自分だけのうのうとしているわけにはいかない」とけじめをつけた。貢献度を踏まえ昨年の1回を含む計3回も慰留してきたフロントも最後はフォローできなくなっていた。

 これを機にクラブは故障者続出の原因となったアンジェロ・フィジカルコーチを解任。岡田監督と一心同体の小山哲司トップチームディレクターも「辞める」と辞意を漏らしており、このまま岡田色は一掃される。水沼新監督の下、27日には京都戦が迫る。名将の辞任は、チーム再生の特効薬となるかどうか注目される。

 ≪岡田監督に聞く≫

 ――辞任の理由は?

 「今年は優勝しますと、いろんな手だてをしてもらい、コーチを切ったり非情な決断をしてきた。結果が出なくて、自分だけのうのうとしているわけにはいかない。3年8カ月、チームと選手に感謝したい」

 ――失速の原因は?

 「戦術よりチームマネジメントがしっかりできなかった。勝負への執着心を示してやれなかった」

 ――苦しんだ部分は?

 「一段上のサッカーを目指したが、結局はマルケス頼り。サッカーの方向性を変えるかどうか苦しんだ」

 ――監督を4年やることは難しいのか?

 「3年も4年も変わらない。4年目でどうこうっていうのはない」

 ――こうしておけば、というのは?

 「たくさんあるが、後悔していない。力がなかったということ」

――今後は?

 「それほど蓄えがないので、働こうと。体を動かさないといけない。サッカーの世界に戻るかはちょっと分からない」
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