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日本代表の岡田監督が視察に訪れる中、横浜のW杯代表メンバー当落線上の選手らが活躍した。国内組最終テストとなった4月7日のセルビア戦に出場したFW山瀬功治(28)は後半15分のFW渡辺の決勝弾をアシストした。敵陣深くでDF3人に囲まれながらラストパスをゴール前に送った。「欲を言えば自分でシュートを打ちたかったけど決めてくれて良かった」と話した。同じくセルビア戦に出場したDF栗原勇蔵(26)も、日本代表DF中沢と連係して味方のピンチを何度も救った。試合後は「アピールよりも勝つことが大切」と話した。


キレ戻った!俊輔2戦連続フル出場

故障に苦しんできた横浜の日本代表MF中村俊輔(31)が、W杯代表発表(10日)前最後の試合で完全復活を印象付けた。アウェー浦和戦で左MFで先発出場。スルーパスでFW渡辺の先制ゴールにつなげるなど、チームを勝利に導いた。Jリーグ復帰後は左足負傷の影響などで、途中交代が続いていたが、最近2試合は連続フル出場。プレーにも安定感が増し、視察に訪れた日本代表の岡田監督を安心させた。

 体にキレが戻ってきた。前半6分。中村は敵陣左サイドでボールを持つと、右前方にいたFW渡辺へスルーパスを狙った。ボールの位置が体から遠く、左足を伸ばす。左足を痛めたばかりの4月ごろなら、バランスを崩して倒れるような体勢だったが、この日は違った。体全体を前方にスライドさせ、左足でボールをとらえた。パス直後に座り込むような姿勢で倒れたが、ボールを受けた渡辺が先制弾を決めた。

 W杯本大会開幕まで約1カ月。司令塔の中村のコンディションは、日本の戦いぶりに直結する。左足首などを痛めた4月3日の清水戦以降は途中交代を続けたが、前節新潟戦で今季初のフル出場を果たし、この日も試合終了までピッチに立った。試合後は「(調子は)だんだん良くなっている」と、自分でも上向く体調を実感していた。

 円熟味ある駆け引きも見せた。この日は攻撃的MFとして左サイドに入った。浦和の司令塔MFポンテと対面の位置。主導権を握りたい中村は、ボールがポンテを経由しないとみた時間帯は、位置を右サイドに移して攻撃の起点となった。「あれはゲームの中の駆け引き。(ポンテとの)起点のつくり合いだったからね」。トップレベルの外国人選手と駆け引きを演じることは、本大会に向けて絶好のシミュレーションにもなったはず。試合後は「もっとフェイク(フェイント)を入れないとW杯では通用しない」と、本大会を想定した課題も口にした。

 後半35分に放ったミドルシュートは、W杯本大会に向けて練習を重ねてきた無回転のブレ球。枠内をしっかりとらえ「はまるようになってきた」。本大会を控えて、好材料が整い始めた。あとは2日後のメンバー発表で、この日視察に訪れた岡田監督が自分の名前を読み上げる瞬間を待つだけだ。
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