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旭川実高のGK阿部陽輔(3年)が27日、同校でJ1横浜と来季加入の仮契約を結んだ。世代別の日本代表経験はなく、全国的には無名。187センチの長身を生かし、ハイボールに強いことが、高く評価された。横浜は、松永成立(46=横浜GKコーチ)川口能活(33=磐田)と過去、日本代表GKを輩出した名門。18歳のルーキーは偉大な先輩たちと同様に日本代表入りの目標を掲げた。

 全国高校選手権の夢が散った翌日、サッカー選手のだれもが抱く、もう1つの夢がかなった。阿部は27日、旭川実高を訪れた横浜のチーム統括本部・松本喜美男本部長(53)と同・公文裕明スカウト(42)の前で、加入の仮契約を結んだ。同校では昨年引退した鈴木健太郎氏(元甲府)に続く2人目のJリーガー。「きのうは(高校選手権道予選決勝敗退で)悔しかったけど、きょうは少年時代からの夢がかなって、うれしい」と笑顔で話した。

 はやる気持ちを抑えきれないのか、すぐに大きな目標を口にした。「1年目からレギュラーになり、次のW杯に出たい」。18歳の元気な発言に、松本本部長は「ベンチを温めていては困る。試合に出て、いろいろと学んでほしい。W杯に出るには、その前に日本代表にならなきゃね」とエールを送った。

 阿部の横浜入りを進言したのは、元日本代表GKの松永コーチだった。6月の高校総体道予選を視察した公文スカウトの報告を聞き、8月に3日間、横浜の練習に参加させた。全国的には無名の存在だったが、187センチと体格は申し分ないうえに、ハイボールの処理にも強い阿部の動きを見て、ほれこんだ。

 横浜は日本代表で40試合の実績を持つ松永コーチをはじめ、現日本代表の川口も94年から8シーズン在籍した。GKの育成には定評があるだけに、発展途上の阿部にとっては格好のチームとなりそうだ。

 12月のメディカルチェック後、本契約し、1月中旬にはチームに合流する予定。「マリノスに入れてうれしい。シュート対応力など課題は多い」。それまでのにこやかな表情を引き締めた
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