横浜乾がプロ初先発ほぼ確実に

帰ってきた天才ドリブラーが、横浜を６年ぶりナビスコ杯決勝に導く。この日の紅白戦で乾は主力組に抜てきされ、ＦＷや攻撃的ＭＦとして、得意のドリブルで攻撃の起点になった。「動き方を改善しないと」と反省したが、プロ初先発をほぼ確実にした。

　スランプを脱出した。途中出場した３月の横浜ＦＣ戦で、ドリブルで数人を何度も抜き去るド派手なデビュー。だが逆に「何人抜いても、最後はパスやシュートが止められてしまう」とプロの壁にぶち当たり、４月には出場機会を失った。休みのたびに故郷滋賀に帰り、少年時代の恩師らに相談した。筋トレも始め、体重を３キロ増やした。

　それでも、一時「封印宣言」したドリブルへの思いは消えなかった。練習終了後のピッチで、１人ドリブル練習する姿は横浜の風物詩。早野監督は「だいぶ良くなってきた。直前で右足首をねんざしたが、本当は９月の浦和戦で先発させるつもりだった」と言う。乾は「今度こそ点に絡むプレーを」と意気込んでいた。