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横浜MF山瀬功治(26)が、破壊力あるドリブルと1得点で、柏守備陣を粉砕した。今季初めて本職のトップ下で先発、本来の攻撃力を発揮し、2-0の勝利の立役者になった。6月にW杯予選4連戦を控える日本代表にとっても、頼もしい好調ぶりだった。

 DFが束になっても、山瀬功の突進を止められなかった。柏戦の前半31分、左サイドでパスを受けると鋭く反転。ゴールに向かってドリブルで加速した。DF3人を一気に引き離し、ペナルティーエリア内に進入。左足シュートはクロスバーをたたいたが、たった1人でも決定機をつくる破壊力を見せつけた。

 「自由に、しばられず、やらせてもらいました」と山瀬功。今季はMFロペスの加入で、開幕からボランチに下がった。その中で「3列目に入って、相手が嫌がる前線への飛び込み方が分かった。(敗れた3月のW杯予選)バーレーン戦でトップ下に入った時も、ボランチ同様に自由にボールを受ければよかった」とヒントを得ていた。

 本職に戻った柏戦では、重戦車ばりの迫力あるドリブルで、相手守備陣を圧倒。柏DF古賀も「国内でトップの突破力。対処するために、DFラインを下げざるを得なかった」と白旗を掲げた。バイアスロンの五輪選手だった父功さん譲りの足腰が、スピードが増すにつれ、沈み込むように安定する。ドリブル突破から計4度も好シュート。後半26分には左クロスに合わせて得点も決めた。

 馬力の秘密は食にもある。9日夜、弟の横浜MF山瀬幸と夫人を伴い、焼き肉ディナーに。兄は弟の2倍以上の肉やホルモンを食べた上、洗面器大の器の特盛ビビンバを完食。冷めんまで平らげたという。山瀬幸は「奥さんはこれでも普段より少ないと言ってました。あれだけ食べるから今日みたいな馬力が出るのかな」と振り返った。

 日本代表にとっても、山瀬功は重要な武器だ。3月のバーレーン戦に敗れ、6月のW杯予選4連戦は負けられなくなった。堅守のオマーン、バーレーンとのホーム戦では、引き分け狙いで守りに入る相手を崩さなければならない。DF3、4人を引きずりながらでも突き進む山瀬功のドリブルは、攻め手のない苦境で格好の「打開策」だ。

 決めれば負けない勝ち運も持つ。この日で、得点したクラブ公式戦と日本代表戦での無敗記録を、25試合連続に伸ばした。横浜にとっても岡田ジャパンにとっても、頼もしい存在だ
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