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サッカーJ1・横浜Mがセルティックの日本代表MF中村俊輔(30)の7年ぶりの古巣復帰へ向け、初めて正式オファーを出したことが18日までに明らかになった。横浜Mは世界的不況で経営の苦しい親会社・日産自動車に依存せず、オフィシャルパートナーのナイキ社から新たな特別支援を得るなどし、獲得資金の捻出(ねんしゅつ)に成功。最大の問題がクリアされたことで、日本の誇る司令塔がついに故郷凱旋の日を迎える。

 日本サッカー界最大の去就問題がついに決着する。セルティックでリーグ逆転Vを目指している俊輔を獲得するため、横浜Mが3年越しの正式オファーを出したことが分かった。

 2年前の秋に浮上し、斎藤正治社長がクラブ目標に掲げてきた「俊輔獲得プロジェクト」。実現に至った理由は最大の障害だった資金捻出に横浜M独自の企業努力で成功したことだった。当初は昨年6月の獲得を目指し、斎藤社長が渡英。セルティックのピーター・ローウェルCEOと会談し、準備を進めたが、米・サブプライムローン問題に端を発した世界的不況のあおりで親会社の日産自動車が経営の見直しを余儀なくされた。推定移籍金400万ユーロ(約5億2000万円)に加え、年俸分も必要な俊輔資金の準備を親会社が承諾できる状況ではなかったため、昨夏と今春の移籍市場では2度にわたり、獲得を見送った。

 だが、横浜開港150周年記念で、しかも俊輔がセルティックとの契約満了で移籍金がゼロとなる今回、クラブ側は方針を転換。親会社に支援を求めずに事業経費削減などの経営努力で資金捻出に成功。関係者によると、オフィシャルパートナーのナイキ社の助力も計画実施の軸となった。サッカービジネス拡大を狙う同社にとっても昨年、複数年契約を結んだ横浜Mに日本サッカー界最大のカリスマが加わることは魅力的な話であり、また両者の長期契約の中でサッカー界の活性化に貢献していくという面でも、クラブの方針に賛同。従来の契約金以外に、新たに推定2億円規模の共同マーケティング施策が実現した。結果的にこれが複数年契約を結ぶ俊輔の総年俸の一部に充てられることになる模様だ。

 「日本に戻るなら育ててもらったマリノスしかない。でも、今はリーグ優勝に集中している」と話した俊輔。中学時代を下部組織で過ごし1997年から5年半自らを高めた故郷への7年ぶりの復帰は悲願だった。2002年夏にセリエAレッジーナに旅立って以来、全盛期に日本に戻ることで欧州CLの舞台などで培った経験と技術を還元したいという思いを胸に日々精進してきた。注目の帰国は26日。世界のNAKAMURAが横浜とJリーグの主役となる。
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