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リーグ、カップ戦を合わせた過去の対戦成績は、横浜Mの21勝22敗。引き分けはただの1度もなく、一時代を築いた名門同士の一戦はKO決着必至、のはずだった。しかし、90分を終えてもスコアは動かず。ともに今季公式戦初勝利を手にすることはできなかった。

 「結果論だが、0-0でOKの試合だったのかな。思った以上に磐田が良かった」。本音か、虚勢か。試合後、木村監督はこの結果に満足を表明した。「2点取られても3点」の攻撃サッカーを掲げる指揮官とすれば、らしくない発言だ。

 前半19分はMF小椋のロングパスを裏で受けたFW坂田が決定的なシュートをブロックされる。こぼれ球につめたFW狩野の一発もバーを超えた。後半18分にはその狩野がワンタッチパスで絶好機をおぜん立て。だがMF小宮山のシュートはまたしても枠を外れた。チャンスはあった。サッカーに判定勝ちがあるとすれば、軍配は小差で横浜Mに上がっていた。

 それだけに勝ち点3が欲しかった。「内容ももちろん大事。でも今はどんな形でもいい。勝ちたかった」。そう話した小宮山の言葉の方が、この日の横浜Mにはふさわしい。確かにシーズンは始まったばかりだが、流れを変えるのは往々にして、勝利という結果だ。
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