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雨で滑りやすいピッチが影響して互いに決め手を欠いたが、横浜Mは後半17分にロニーの左クロスから田中隼が右足で決めて均衡を破った。大分はシュートが少なく、終盤にはエースのウェズレイが退場となって反撃できなかった。


☆「勝って育てる」を実現☆
 日本代表の中東遠征でチームの柱であるDF中沢、MF山瀬功を欠いても、いい流れは途切れなかった。抜てきされた若い力が穴を埋め、リーグ戦を含め開幕3連勝だ。
 桑原監督にとって、この日一番の懸念は守備。注目された守備的MFの二つの枠に収まったのは、18歳の新人水沼と19歳の2年目長谷川だった。
 ともに今季初出場。硬さもあって、前半は相手にボールを回される展開が続く。後半に落ち着きを取り戻すと、前に位置するMFロペスとの連係でボールを奪い、効果的なサイドチェンジも見せた。後半17分の得点には直接絡まなかったが、攻撃陣が積極的に攻め上がることができたのは、中盤の安定した守備があってこそだ。
 長いシーズンを見据えた底上げのための若手起用ではない。指揮官はこの日も「常に勝利を求めているし、選手は勝つ喜びを知ってほしい」と繰り返し強調した。
 「若い2人が入っても流れを手放さずに勝てたのは大きい。勝ちながら成長することで、代表が帰ってきたときにチームはさらに強くなる」とDF松田。「育てながら勝つ」ではなく「勝つことで育てる」。育成という昨年から続く困難なテーマを新指揮官は現実のものとしている。
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