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Jリーグ1部(J1)横浜M・水沼貴史監督が活気を失ったチームをよみがえらせようと必死だ。11日の首位浦和とのリーグ第30節(午後3時・埼玉ス)を前に3バックを4バックへ変え、これまでMF田中隼が務めることが多かった右サイドDFにセンターバックが本職の栗原を入れるなど、抜本的な改革に着手した。指揮官は「失った躍動感を取り戻させたい」とピッチで声を張り上げている。

 水沼監督がここまで自分の「色」を出すのは就任以来初めてだ。栗原の4バック右DFでの起用は非常に目新しい。「4バックも栗原の右も、前からやりたかったこと」。0-3という広島戦(10月28日)の完敗で、温めてきた改革案の実行に踏ん切りがついた。

 3バックの安定度は高い。だが安定から挑戦の気概は生まれないというのが監督の出した結論だ。「3枚にすれば落ち着く。でもそれでは何も起こらない。落ち着きたくないんだよ、おれは」

 安定感は数的優位から生まれる。監督に言わせるとそれこそが元凶だ。「人数が足りているという意識が運動量を少なくして、展開を間延びさせる」。サイドDFの攻撃参加で時に2バックにもなる布陣を採用することで、あえて危険にさらしたいのだ。人が足りなければ動かざるを得ない。それが攻守を活性化し流れをつくる。「やられる可能性はある。けれど、どこかで変えないと」

 来季の去就は未定だ。続投要請は今後次第。軽口ではあるが「プロの監督は全試合に進退をかけている」とドキリとすることも言う。強豪相手に新布陣へ挑戦することは大きな賭けだ。「だからこそ」と監督は言う。「ここで結果が出れば、何かが変わる」。球団側はその挑む姿勢を高く評価している。後は、結果が出るかどうかだ。
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