うっ憤晴らした！久保決勝ヘッド

スクリーンに久保の笑顔が映し出されると、大歓声が起こった。後半４３分、平野が蹴った左ＣＫ。ニアにいた久保は体を反転しながらヘッドでコースを変えてゴール左に突き刺した。「触らないようにしようと思った」というが、ＦＷとしての本能がボールに頭を向かわせた。４月１２日のＦＣ東京戦以来、５２日ぶりの得点。エースの“復活”に涙をこぼす横浜のスタッフもいた。

　「あれだけ応援してくれて吹っ切れた感じがある。頑張ろうと思っていたし、点が取れて良かった」。５月１５日、Ｗ杯メンバーから落選。周囲は久保の気持ちが切れてしまうことを心配した。だが、左ひざ痛や体の重さはあっても、練習は１日休んだだけ。前向きに取り組んだ。ジーコジャパンで最後の試合になった５月１３日スコットランド戦以来の出場で決めた１発。岡田監督は「１発があるのは久保しかいない」と話し、主将のＤＦ松田も「ドラゴンが決めたのは大きい。見返してほしい」と喜んだ。

　日本代表ではＦＷ陣に故障者が続出。工藤ドクターは「大丈夫です」と追加招集があっても問題ないことを強調した。「また頑張ります。練習もあるから」と久保。ドラゴンは立ち止まらない。