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新体制、嵐の緊急発進! 横浜は28日、早野宏史監督(51)の就任を発表した。しかし、既に手腕を疑問視するサポーターから抗議が殺到中。来季の集客にも、打撃を与えそうな状況に陥っている。新スローガン「スクランブルアタック(緊急発進攻撃)」までも、チームの厳しい現状とイメージが重なる。95年にはリーグ初制覇に導いた同監督の古巣復帰は、スタートから大逆風が吹き荒れる異常事態だ。

 会見場に現れた早野監督には、既に悲愴(ひそう)感が漂っていた。2季連続9位と低迷する名門を立て直す厳しさだけではない。「批判があるのは知っている」。昨季柏をJ2に降格させた指揮官の就任は、サポーターのアレルギー反応を呼んだ。

 クラブには、28日現在で通算約700通の抗議メールが殺到した。監督の年俸を3000万円に節減した結果の人選との説を受けて「金をケチっては弱くなる」などの批判だ。さらにネット上では年間シートの不買運動が展開されている。販売枚数は今季比3割減、推定1億円近い損失となる。購入回避は主にゴール裏のサポーター席で、熱狂的だったファンの離脱をうかがわせる。

 新スローガン「スクランブルアタック」も批判の的だ。攻撃サッカーをうたったはずが、午後5時に公式サイトで発表されると、ネット上の掲示板には「文字通り緊急事態」「こんな自虐的なクラブはない」などと書き込みが集中。約2時間で約300件を数えたスレッドもあった。

 早野監督招へいを強く主張した左伴社長は、この日も人選の理由説明に明確さを欠いた。「この体制で結果を出せるか分からない」と歯切れの悪い言葉もあり、サポーターの不安をさらにあおりそうだ。

 早野新監督はけなげにも「クビになっても、その時に若手の芽が出ていればそれでいい」と名門再建の人柱になる覚悟だ。テレビ解説でおなじみのダジャレも封印すると宣言。「ねんざしようが、ひざが割れようが、前に進むしかない」。早野横浜が、痛々しく第1歩を踏み出した。
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