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横浜が、負ければJ2降格圏の瀬戸際で踏みとどまった。後半開始早々2分に得た左CKのチャンスで「いいボールを入れてくれれば、何とかする」とエースFW大島秀夫(28)が狙った。MF狩野のクロスに頭から飛び込み、決勝弾。2試合3ゴールだった昨季に続いて、台風一過の試合で勝負強さを発揮。「こんなことがあるんですね」と大喜びで駆け寄る仲間からピッチ上であおむけになぎ倒され、手荒い祝福をなされるがままに受け止めた。

 勝利への執念が、正念場での結束力をもたらした。故障で欠場した山瀬功に代わり、今季初先発の狩野が「行けるところまで行く」と序盤から全力プレーで好機を演出した。

 先制点の場面も「普通にやっていたら相手も警戒する。緩急が必要」というDF中沢のアドバイスを受け、ショートCKを選択。FW坂田とのワンツーパスで磐田のマークを揺さぶり「練習したこともなかった」(大島)奇策でアシストした。

 後半34分には、GK榎本が至近距離から浴びた2本のシュートに体を投げ出して死守。ベテラン、中堅、若手が一体となってもぎ取った勝ち点3だった。試合前に木村監督は「J1残留争いと言われているが、まだ残り10試合の中の通過点」と選手を送り出したが、全員が重圧を正面から受け止め、やるべき役割に集中した。今季3度目の1-0完封勝利。中沢は「この勝ちは大きいし、自信になる」と胸を張った。常勝軍団と呼ばれた時代に得意とした「横浜らしい勝ち方」を、がけっぷちの戦いで取り戻した。
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