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横浜Mが25日の柏戦で3ー1と快勝し、J1残留をほぼ確実とした。MF狩野健太(22)の2得点1アシストの活躍などで暫定10位に浮上。クラブ側も木村浩吉監督(47)に対し、正式に来季の続投要請を行う方針を固めた。神戸は日本代表FW大久保嘉人(26)のゴールで3位・大分を沈めた。2位の名古屋は磐田と0―0で引き分け。

 横浜Mが木村流攻撃サッカーを貫いた。後半8分、MF狩野が右サイドを切れ込み、ファーサイドにクロス。走り込んだMF田中裕が頭で追加点を挙げた。待望の2点目。ここで木村監督はすかさず動く。同20分、FW坂田に代え、MF山瀬功を起用。同24分にはボランチの松田を下げ、DF小宮山を投入した。

 リードを守りきるのではない。むしろ、狙いは逆だった。構成を変えたチームは後半30分に失点。だが、「追加点を取りにいった」木村監督の攻撃的な姿勢は直後に実る。9分後、DFからボランチに上がった小椋がボールを奪い、左からカウンター。低いクロスを狩野が冷静に押し込む。プロ初の1試合2得点の狩野は「追加点は常に意識していた」と振り返った。

 7月、桑原隆前監督が解任され、木村浩吉監督が就任。以来、コンディション重視の選手起用と攻撃サッカーの追求を徹底した。「90分で1失点は仕方がない」と木村監督。伝統的に堅守が売りのクラブを根気強く改革。1試合3得点は4月29日の千葉戦以来、実に半年ぶりで、地道な努力がようやく結実した。

 木村監督の来季の続投を水面下で進めていたクラブ側も「(監督を)代える理由はない」(チーム関係者)と正式に要請する方針を決断。残り4戦あるが、この日の勝利でJ2降格の可能性が極めて低くなったことで、来季のチーム編成にも着手する。木村監督の返答次第だが、今後の目標は「木村マリノス」でリーグを制覇する体制作り。指揮官は「これで残留という呪縛(じゅばく)から自由になれる」。さらなる進化を見据えた。
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