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横浜Mが逃げ切った。前半5分、長谷川からのパスを受けた山瀬功がドリブルで突破して先制ゴール。その後、追加点は挙げられなかったが、中沢ら守備陣が踏ん張った。甲府は細かいパスをつないで積極的に攻めたが、無得点だった。

☆鈴木、レッドカードで衝撃デビュー
 セルビアのレッドスターから新加入したFW鈴木が2年ぶりのJリーグの舞台に戸惑った。
 前半8分にラフプレーで警告を受け、「手を上げて競り合うなと主審に言われた。それは納得できない。こんな基準でやっていたら世界レベルでは通用しなくなる」と納得いかない表情。
 終了間際の後半44分には遅延行為で2度目の警告を受け退場。試合後は怒りが収まらない様子だったが、チームの白星発進に「勝ったことで自信につながる」と話していた。


☆長谷川が開幕戦デビュー
 横浜創英高、ユース出身の新人長谷川がクラブ史上4人目となる開幕戦デビューを飾った。決勝点に絡むパスだけでなく思い切りよくシュート放ち、早野監督の抜てきに答えた。
 早野監督からは「おれが責任を取るから、好きにやってこい」とピッチに送り出されたという。守備的MFとしてフル出場し、チームの勝利に貢献。イラン人の父を持つ186センチの大器は「Jリーグに出るのが夢だった。90分間プレーできたのは、いい経験になる」と充実の表情を見せた。
 指揮官は「90分プレーできたのが大きい。この経験はチームにとっても長谷川にとっても財産になる」と笑顔で話した。



☆後半に運動量不足露呈
 重かった扉が開き、明るい未来がちらりと見えたようだった。
 前半5分。センターサークル付近でボールを受けたMF山瀬功が、ドリブルで相手DFをかわしながら約30メートルを疾走し、左足でゴールへけり込んだ。「攻撃サッカー」を掲げるチームにとって待望の先制点。記念すべき2007年Jリーグ初得点だった。

 早野監督は開幕1週間前、3トップから「4―5―1」へシステムを変更した。先制弾はまさに、その変更が効いて生まれたもの。FW鈴木がボールをキープし、MF長谷川から山瀬功へ。トップ下で中盤のスペースを埋めるために動き回ることが多かった山瀬功が攻撃的MFに回ることで持ち味が生きた。采配(さいはい)は的中した。

 ただし、攻撃面が良かったのは前半20分まで。運動量が落ちた後半は防戦一方。前線と中盤の連係が乱れたところを突かれた。DF中沢、栗原ら最終ラインが奮闘して事なきを得たが、山瀬功は「流れを有利に運ぶために、チーム全体で考えるべきことはまだ多い」と表情を引き締める。

 初陣を白星で飾った早野監督も「完成したチームをつくるために、最終戦まで修正を続けていくだろう」と言った。”名門復活”を一つ一つの勝ち星で確かなものにしていく。
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