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優位な展開で再び悪癖
 「最後にこんな結果が待ってるとは思いもしなかった」(FW坂田)。それはスタジアムに集った誰もが抱いた感想だったろう。後半9分までに2-0とリードしながら、その後に続く3失点で勝ち点1を拾うのがやっとの結末。イレブンは降り注ぐ雨とブーイングをただ、ぼうぜんと浴び続けた。

 4-3-3の新システム移行後、4戦目。上昇の兆しは見えた。これまでは中央に密集していた坂田、山瀬の両ウイングが、左右に大きく開くことでサイドに攻撃の起点をつくった。守備の連動性も向上し、中盤でボールを奪う場面が増加。前半の大分のシュートは2本と、フィニッシュまで持ち込ませなかった。

 前半29分、MF狩野のヒールパスに抜け出したFW山瀬が左足で先制。後半9分には自陣で奪ったボールをしぶとくつなぎ、右スペースの山瀬へ。ドリブル突破が相手DFのファウルを誘い、PKで追加点も挙げた。問題はここからだ。

 「2点リードして、展開としては優位に進めなきゃいけないのに、押し込まれてしまった。その結果の3失点」(山瀬)。守り切ろうとして中途半端に下がってしまう「悪い癖」(木村監督)がまたも顔をのぞかせ、死にかけた相手を勢いづかせた。それはリーグ第3節・柏戦でも見た光景だ。案外、戦術やシステム以前の深刻な”病”なのかもしれない。
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