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あと一歩だった。

 後半30分、MF斎藤学のシュートをGKがはじき、目前で押し込めなかったDF松田は、「勝ちたかった。もう本当に、悔しいだけ」。試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチにあおむけに倒れ、しばらく立ち上がれなかった。

 気迫はあふれていた。勝たなければ予選リーグ敗退となるこの試合。「つなぎは抜群。あとは最後のところ」と木村監督が振り返ったように、主導権は横浜Mにあった。

 だが、期待の懸かった後半。球際の激しさで押したものの、肝心のフィニッシュが決まらない。守備では、同38分にゴール前のこぼれ球にDF小椋が間一髪足を伸ばして前を向き、相手と正面衝突する体を張ったプレーもみせたが、勝利には届かなかった。

 「ただ後ろで回すことも多かった。手詰まりでける場面もあった」と話す、MF兵藤の目は、涙ではれたよう。浦和戦は3戦4得点だったFW渡辺も「自分は力不足。もっと積極的に打てていれば…」と肩を落とした。

 8年連続の決勝トーナメントは逃した。木村監督は「泣いて悔しがる選手もいた。表面だけじゃなく、心底そうなってほしい」。珍しく流した悔しさ涙。この経験を生かしてほしい。
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