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横浜Mが誇る若き才能が首位大分を沈めた。守り合いの息詰まる展開を破ったのは後半14分。ペナルティーエリア外、やや右寄りで得た約20メートルのFKをFW狩野が右足で決めた。

 「最近は(ゴールに)近いFKがなかったので、行かせてくださいと言った。近ければ、コースを突けば入るから」。自ら志願してけったボールは、柔らかく弧を描いて壁を巻く「イメージ通り」の弾道だった。

 名門・静岡学園から鳴り物入りで入団し4年目。飛躍を期待された今季だったが、2月の宮崎キャンプで右ひざの靱帯(じんたい)を損傷、3月に復帰した直後の練習試合でも左足小指の付け根付近を骨折し、長い欠場が続いた。

 ようやく先発のチャンスをつかんだのは、シーズンも3分の2が終わった20日の磐田戦。そこから2戦続けてCKから虎の子の1点をアシストすると、この日は首位相手に値千金の決勝弾。「キックは自分の売りだし、自信がある」。言葉通りの活躍で存在感が高まっている。

 エースMF山瀬功のけがで巡ってきたチャンス。「レギュラーに定着するためには、アピールする身であることに変わりはない」と慢心はない。全体練習後、約1時間にわたるFKの居残り練習はうそをつかなかった
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