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横浜はFW陣のコンビネーションで今季初の連勝を飾った。前半21分、DF金がクリアしたボールをFW山瀬功治(27)が胸で受け、すかさず右足でシュートを決めた。同44分には山瀬のパスを受け、FW坂田大輔(26)が飛び出してきたGKを浮き球で交わしてゴール。実績ある山瀬功、坂田だが、今季は開幕スタメンから外れるなど出場機会に恵まれずにきた。だが、2人の状態とともに、チームも上がってきた。

 木村監督は「(渡辺を含め)前線3人のコンビネーションができてきたので、前節と同じ形にした」と言うように、2試合続けて前線3人を固定し、狩野をボランチで起用した。山瀬功も「3人の流動的な動きはスムーズになってきたと思う」。開幕直後はナビスコ杯を含め6試合勝てなかったチームに、ようやく形が見えてきた。山瀬功が言う。「本来なら連勝して気を引き締めるところだが、今のチームは勢いに乗っていいと思う」。上位進出も狙える位置につけてきた。
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横浜木村浩吉監督(47)が4月30日、ゴールデンウイーク後にチームをモデルチェンジしたい考えを示した。この日の練習後、前日の磐田戦(ホーム)にMF狩野をボランチで起用した理由について「狩野も坂田も使いたかった。まだ今はシステムは動かしたくなかったから、人を変えた」と説明。その上で「システムを変えるならば、この連戦が終わってからになる」と語った。いい形で連戦を乗り切り、チームの進化に取り組みたい。
豪快にネット揺らす
 後半1分、0-0の均衡を破ったのはFW渡辺。DFを背負いながらゴール前に陣取ると、FW坂田の縦パスにワントラップから間髪入れずに反転。勢いそのままに右足を振り抜き、豪快にネットを揺らした。

 「(坂田に)落とそうとも思ったけれど、前半にシュートを打てていなかったので、あそこはシュートの意識がありました」と渡辺。その迫力はまさにワールドクラスの一発で、観戦に訪れていた日本代表・岡田監督も「日本人でアレを決めるのはなかなかいない。結果を出してくれれば(代表入りの)可能性もあるよね」とうなった。

 ホームでは4戦連発と勢いが止まらない。次節の川崎戦も得意の舞台。「きょうみたいにいいテンポでパス回しができれば。次も決められるように頑張りたい」と頼もしかった。


新たな守護神・飯倉
 横浜M伝統の堅守にまた新たな顔が加わった。守護神・榎本に代わってゴールマウスを守ったのは、これがJリーグ出場2試合目となる飯倉。2007年10月のデビュー戦以来、557日ぶりの出場で完封の大仕事だ。

 「最初の10分は足元がバタバタした」という飯倉だが、その後はキャリアの浅さを感じさせない堂々とした立ち回り。韓国代表FW李根鎬を狙った再三のクロスにも思い切りのいい飛び出しで対処。丁寧なフィードで攻撃にも貢献した。

 ユース出身の5年目。06年にはJFL熊本へ期限付き移籍し経験を積んだ。だが07年の復帰後も榎本の壁は厚く、2年で出場は1試合。ベンチを温める日々は「長かったといえば長かった」。

 松永GKコーチから先発を言い渡されたのは前日のこと。だが「いつでも出られる準備はしていた」と落ち着いたプレーで応えた。木村監督も「チャンスはいつ来るか分からないが、それをつかむのがプロの選手。悪くなかった」と目を細める。

 目指すGK像ははっきりしている。「ファインセーブひとつでゲームを変えられるのがGK。3-2でも4-3でもいい。負けないGKになりたい」。ジュニアユース時代からあこがれていたという磐田・川口の前で、チームが勝ったことが何よりうれしかった。
横浜MのルーキーFW渡辺がまたもや度肝を抜いた。後半1分、FW坂田の縦パスをペナルティーエリアやや外でワントラップすると、迷わず右足でシュート。約20メートルの強烈なミドルは相手GK川口の右上を通過し、ゴールに突き刺さった。開幕からホーム戦4戦連発を含む5得点と大暴れ。得点ランクは4位で山形・長谷川と並び日本人トップタイ。チームも勝ち点3で11位に浮上した。

 「前半はシュートを打てていなかったから、打とうと思った」と渡辺。常にゴールを狙う意識が得点を引き寄せた。渡辺の全得点を見た日本代表の岡田監督も「きょうのはすごかった。日本人であれを決めるのはなかなかいないよ」と大絶賛。代表招集に関して、「これから数試合あるからね。結果を出してくれれば、可能性はあるよね」と今後の活躍に期待を込めた。

 光ったのは渡辺だけではない。守護神・榎本に代わり抜てきされたGK飯倉をはじめ守備陣が堅守を披露。今季4度目の完封でルーキーの1点を守った。次は中2日でホーム・川崎戦(5月2日)。2ケタ得点を目標に掲げる渡辺は「このペースで取っていければ」と意気込んだ。
横浜の大卒ルーキーFW渡辺がホーム4戦連発でチームに2勝目をもたらした。後半1分、FW坂田の縦パスを受けて素早く反転。右足で右隅に突き刺した。「あの場面ではシュートの意識が働きました」という渡辺を、日本代表の岡田監督も「凄かった。きょうのようなゴールは日本人ではなかなか決められない」と絶賛した。守っては今季初先発のGK飯倉が攻撃的な守備で完封。「無失点で勝てるのは強いチームだからできること」と胸を張った。


李根鎬、日韓代表対決で中沢に完敗
磐田の韓国代表FW李根鎬がデビュー後、初黒星を喫した。前半は横浜の日本代表DF中沢の厳しいマークに苦しみ、39分には相手を倒して初警告も受けた。後半37分には決定的な場面でゴール前へ飛び出したが、体勢を崩してシュートは打てなかった。過去2試合の日本代表戦はともに無得点。3度目の対戦でも中沢の壁を破れなかった李根鎬は「今回の負けは(自分に)失望した。中沢は老練というか、経験のある選手だった」と完敗を認めた
●木村浩吉監督(横浜FM):

「ゴールデンウィーク5連戦の中での前節の初戦、名古屋に逆転負け。内容もあまり良くなかったので、原点に戻ろうと考えた。引いたらあまり良いゲームになっていないので、できたら前線から追って行こうと考えた。
ハーフタイムで、守備はまあまあ良いが、ただ攻撃で1/3に入ったときに3人の距離が遠いと注意をした。守備では3人が多少遠くても良いが、攻撃だと3人全員でなくとも、ボールを持っている選手に近づかないとコンビネーションが組めない。

後半の立ち上がりに、渡邉の非常に素晴らしいゴールが決まった。その後に相手のミスもあり、山瀬功のシュートもあって、それらが入っていれば3-0で終われたゲームかもしれないけど、そんなにうまくはいかない。
前節、狩野が首筋が痛いということで休ませたが、今日は中盤でボールをつなぎたかったので小椋に代えて起用した。運動量が多過ぎて、息が上がっている場面が見えたので、小椋を使った。小椋を入れた時点で、1-0で良いと指示をした。苦しい試合だったが1-0で勝てて、次につながったと思う」

Q:GKを飯倉を起用した理由と、評価は?
「2連続ゼロで抑えたあと、前節にセットプレーから2失点。松永GKコーチにも相談し、僕の中でも競争の二文字があるので、今日の起用を決めた。フィールドプレーヤーの競争させている中で、GKも競争という意識は松永GKコーチにも浸透していたと思う。榎本、そして飯倉ともきちんと話をしてくれている。
チャンスは、いつ転がってくるか分からない。そういうチャンスを生かすのがプロのサッカー選手だろう。僕が言っていたのは、出る・出ないをはっきりしろ、中途半端なプレーするぐらいなら出ない方が良いという点。出来は悪くなかったと思う」


●渡邉千真選手(横浜FM):
「前半からよくパスも回っていたし、比較的自分たちのペースでやれた。ゴールは思い切って打てました。これまで自分が点を取っても勝てていなかったから、今日の勝利はうれしい。
次はホームで神奈川ダービー。次もぜひ勝ちたいです」

●坂田大輔選手(横浜FM):
「前半はなかなかいい形を作れなかった。でも、後半に千真が決めてくれた。前回の名古屋戦も同じ展開で、うちが先制して逆転されていたから、今日は、それを何とかしたかった。前節のことがあったから、1点では勝てないと思い、次の点を狙った。そのなかでしっかり守って、結果的によかったです。自分のプレーは、最後のフィニッシュの場面の部分でなかなか、いいチャンスが来なかった。とりあえずチームが勝てたことが一番です」
●松田直樹選手(横浜FM):
「テツに代わって、大樹がJ1で2試合目の出場をした。思う存分、楽しめと大樹に言った。やっぱり、何もやらずに後悔するより、楽しんで負けた方がいいから。そう言ったけど、アイツはのびのびやるし、性格的に図太い。いいプレーをしてくれた。他の代わった選手もよくやってくれた。
千真のゴールはスーパーだったけど、今はみんなで助け合ってやっていくことしかない。去年の終わりも、みんなが連動して、『みんなのためにやる』というのが伝わり、結果につながったと思う。そういうのが徐々に出てきている」

●金根煥選手(横浜FM):
「厳しい状況のなか、千真選手がゴールを決めてくれた。自分もチームの力になってよかった。また、得点チャンスが何回かあったけど、それを生かせず、難しい試合になった。イ・グノ選手のことは、韓国人だからといって特に意識せず、他の日本人選手と同じ選手だと思って戦った。何回か危ないシーンもあったけど、止めることができたのでよかったと思います」
横浜Mが“大幅集客増プロジェクト”で29日のホーム磐田戦を勝ちにいく。試合当日、日産スタジアムに隣接する小机フィールドで、全日本少年サッカー大会神奈川県予選の開会式を行うことが27日、判明。クラブ側の働きかけによって成功したもので、開会式後に行われる磐田戦の観戦も呼びかけており、すでに約2000人の来場が決定。最大5000人に達する可能性もあり、クラブ関係者は「子供たちが応援する前で、ぜひ勝ってほしい」と奮起を期待した。

 県予選開会式とホーム戦を合わせたイベントは、すでにG大阪が実施しているが、首都圏のクラブでは初の試み。参加460チームの選手、関係者を合わせると規模は日本最大級となり、バックスタンド2階席を開放する予定だ。参加選手が試合前の日産スタジアムのトラックを行進するプランも進められており、地域密着へ、この好機を最大限生かす。

 横浜Mは26日の名古屋戦で逆転負け。木村浩吉監督(47)は残り4連戦で「3つ勝とう」と3勝を最低ラインに設定し、磐田戦ではMF狩野健太(22)も復帰予定。心強い“サポーター”を背に巻き返しを図る。
 左アキレスけんを断裂して戦線離脱している横浜FW清水範久(32)に、うれしいプレゼントが届いた。クラブを通じ、ファンからの千羽鶴やメッセージ入りのクラブ旗が手渡された。旗には「焦らず治せ」「また走るJIROを見せて!! 待っているから」などと激励の言葉が書かれており、清水は「ありがたいです」と話して受け取った。清水は3日の練習中に負傷し、6日に手術を受けた。全治6カ月と診断されている。

260日ぶりの坂田弾
 先制点を挙げたのは3試合ぶりの先発となったFW坂田。前半43分に訪れたカウンターの好機に、FW山瀬功とのワンツーで左サイドを抜け出すと、角度のないところから左足で決めた。
 リーグ戦のゴールは昨年8月のG大阪戦以来、実に260日ぶりだが、相手DFを一瞬にして置き去りにした爆発力は、まさにハマのスピードスターの面目躍如。「風が強く、ゲームがどちらに転ぶか分からないところで点を取れたのはよかった」と振り返った。
 チームが逆転負けしたため表情は最後まで晴れなかったが、「すぐ次があるから」と29日の磐田戦に気持ちを切り替えていた。


とどめ刺す迫力なく
 前半終了間際に先制する理想的な試合展開も、後半にセットプレーから2点を失い、よもやの逆転負け。”大型連戦”の初戦、横浜Mは敵地で痛い星を落とした。
 予兆はあった。MF狩野が練習中に発症した首痛のため、今季初めてメンバーを外れた。日ごろから「特定の選手に頼らない」チームづくりを公言している木村監督だが、昨季終盤の巻き返しを支えた天才パサーの不在は、やはり大きかったと言わざるを得ない。
 「前線でボールが収まらなかった」(木村監督)。抜群のキープ力を誇る狩野のいない前線は、後続の攻め上がりを待つタメをつくれない。人数のそろわないカウンターは、とどめの2点目を奪う迫力に欠けた。
 逆転を許し、1点を追う終盤にはFWハーフナーを投入し、DF金根煥を前線に上げるスクランブル態勢。J1で1、2位の長身が居並ぶ”ツインタワー”が公式戦で初めて実現するも、高い精度のボールを放り込むキッカーがいなければ、それも張り子の虎だ。
 「1点で勝てるとは、やってる選手も監督も思っていない」とは先制点を挙げたFW坂田の弁。攻める気持ちはあった。しかしこの日の横浜Mは、攻めきるには駒も策も足りなかった。


GK榎本(セットプレーから2失点)出るなら出る、出ないなら出ない。たとえ判断を間違ったとしても、つぶしに行くくらい行かなきゃダメだった。

DF中沢 流れの中からの失点じゃない。キッカーがいいところにけっていたし、そこまで気にすることはない。守備の意識は高かった。
横浜には、残り20分間があまりに長い。1-0とリードして迎えた後半26分。名古屋のCKからヘディングシュートを決められ同点とされた。同36分にはFKで勝ち越し点を奪われた。逃げ切りが見えてくる時間帯。DF中沢は「ここ2試合が無失点だったので、余計に1-0というイメージが沸いたかもしれない」と振り返った。横浜にとって課題の時間帯といえる。

 残り20分。前節の鹿島戦は0-0の引き分けも、木村浩吉監督(47)は「残り20分に攻められなかった内容が不満」と選手に伝えた。「サッカーは90分の戦い。ペース配分をしろとは言わないが、苦しい時間帯に何ができるかが大事だ」。3月21日の柏戦は3-1の残り25分から引き分け。4日の新潟戦では攻め過ぎ、ロスタイムに決勝点を奪われた。攻めるか、守るか。終盤の試合運びが鬼門になっている。

 選手にも序盤勝負の意識は強く、試合前のコイントスでは風上を選択した。ゲームキャプテンのMF兵藤が言う。「うちは先に取られると苦しい。最初からどんどん行こうと話していた」。若手の多いチームは、現状を打破すべく必死にもがいている。司令塔のMF狩野が首痛で欠場の苦しい試合でもあった。まだシーズン序盤。課題を克服すれば浮上のチャンスは残っている。
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