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代表メンバー23人に選ばれなかった横浜DF栗原勇蔵(26)は「仕方ないです」と潔く結果を受け止めた。国内組最終テストの機会となった4月7日のセルビア戦で先発したが、失点にからむミスを犯した。「いいプレーをして選ばれなかったら複雑ですが、そうじゃない。自分の力が足りないだけです」と話した。サポートメンバーに選ばれる可能性もあるが「そうなったらうれしい。この目でW杯を見るチャンスがあるなら、いい勉強になる」と前向きに話した。また4年後に開催されるブラジル大会について「堂々と23人枠に選ばれるように、これから頑張っていきたい」と話した。
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横浜の木村和司監督(51)が11日、同チームからDF中沢佑二(32)とMF中村俊輔(31)の2選手が日本代表メンバーに選ばれたことを喜んだ。02年日韓大会で選外となった中村については「当たり前のように名前が呼ばれたからワシもうれしかった。これで(中村も)落ち着いたんじゃないかな」と気づかった。両選手は21日の国内合宿からチームを離れる。この日、横浜市内で行った全体練習前のミーティングでは「日本サッカー界のため、日本のファンのため、という気持ちで戦う経験は、必ず自分のためになる。なかなか経験できないことなので楽しんでくればいい」とエールを送った。
W杯メンバーから落選したDF栗原=横浜M=が11日、翌日に発表される7人の予備登録メンバー入りを志願した。予備登録は23人に負傷などがなければ出場はできないが、「直接(W杯を)見れれば、いい経験にもなる」と意欲を示した。一方の木村監督は予備登録で選手を送り出すことに難色を示した。
横浜のDF栗原がサポートメンバーとしての南アフリカ行きを志願した。10日発表のW杯メンバー23人からは外れたが、サポートメンバー選出の可能性は残されており「現地で見れば経験になる。どんな形でも良いから行きたい」と熱く語った。

 現在26歳。14年ブラジル大会は脂の乗った30歳で迎えるだけに「次は最初から選ばれるようにアピールして、4年間戦って最後に入れるようにしたい」と話した
エースに始まり、エースで締めた。FW渡辺が先制点と決勝点の活躍。鹿島、磐田、清水に次ぐチームのJ1通算300勝に導いた。
 先制点は前半6分。MF中村から、ペナルティーエリア手前やや左でパスを受けると、DFをかわして右足を振り抜く。「迷わず打てた」という強烈な一撃がネットに突き刺さるのを見届けると、跳び上がってガッツポーズ。2戦連発に喜びを爆発させた。
 前半、後半と、2度のリードを追い付かれるも、ひるまない。後半15分、ゴールライン際からFW山瀬が中央に出したパスに、右足を合わせて決勝点。「相手に当たったけど、うまく入ってくれた」。ゴールネット後方のサポーターに駆け寄り、普段は物静かな男が感情をむき出しにした。
 ルーキーイヤーの昨季も、浦和相手には2戦2発で負けなし。そのキラーぶりに「どうなんですかね。人が入ってる分、やってやろうって気持ちは、あるかもしれない」と振り返った。
 これで、暫定ながら得点ランクトップタイに。チームのシステムも慣れ親しんだ4―4―2に戻り、「良かった時期に戻ってイキイキできた」。充実した表情が、さらなる飛躍を予感させる。
 日本代表の岡田監督が視察に訪れたことに触れ、「自分のプレーをしていれば、どこかで(日本代表に)」。そう願うに十分な、この日の活躍だった。


代表入り確実視される俊輔は調子上向き、中沢2失点反省

日本代表入りが確実視されているMF中村とDF中沢は、ワールドカップ(W杯)メンバー発表前の最後の試合を白星で締めくくった。
 代表でも司令塔の役割が期待される中村は先制点につながるパスを決め、「相手も前に出てきていたし、スペースもあった」と冷静に分析。「アウェーでレッズ相手に勝ち点3は大きい」と振り返った。
 前後半には1本ずつ、約30メートルの惜しいロングシュートも放ったが、「もっとフェイクとかを入れないと。W杯では、(フェイクを)入れても(相手は)ついてくる」。調子が上がってきたのでは、との報道陣の質問には「まあね」と話した。
 一方、守備の要である中沢は、2失点に浮かない表情。「点は取れたけど、リスクマネジメントができていなかった。DFとしては、そこをしっかりしないと」と話し、「優勝するには、手堅く、しぶとくというのも大事」と表情を引き締めた。
 それでも、10日に迫った代表発表については「テレビ中継を見ながら、(会見を)やってもいい」と、ベテランらしい余裕の表情で、「発表されてから、いろんなことを考えます」と話した。


木村監督「ワシ自身、本当にうれしい」
◆木村監督ひと言
 久しぶりに3点取れて、勝ち点3も取れた。ミーティングでは「気持ち」が大事だと話したが、選手がそれに応えて、自分たちの力を出してくれた。ワシ自身、本当にうれしい。

◆選手ひと言
 MF兵藤 (前半に2点目)裏に来ると思って走った。GKが出てきたので、ちょんと浮かせた。まだ1点です。

 FW山瀬 (決勝点をアシスト)ボールを取りにくるような足の動きとかが見えていた。一つ一つ、それをブロックしながら、取られないようにできた。欲を言えば自分で打ちたかったが、絡まって千真(渡辺)に出したら、うまく決めてくれた。
横浜のMF山瀬がW杯メンバー入りへ最後のアピールをした。

 2―2の後半15分、ペナルティーエリア内にドリブルで突進。相手DF3人をかわしてFW渡辺の決勝弾をアシストした。「欲を言えば自分で打ちたかった」と満足していなかったが、今季は開幕から好調を維持。木村監督も「岡ちゃんがどうするか分からんけど、あんな日本人いないよ」とメンバー入りを後押しした
日本代表の岡田監督が視察に訪れる中、横浜のW杯代表メンバー当落線上の選手らが活躍した。国内組最終テストとなった4月7日のセルビア戦に出場したFW山瀬功治(28)は後半15分のFW渡辺の決勝弾をアシストした。敵陣深くでDF3人に囲まれながらラストパスをゴール前に送った。「欲を言えば自分でシュートを打ちたかったけど決めてくれて良かった」と話した。同じくセルビア戦に出場したDF栗原勇蔵(26)も、日本代表DF中沢と連係して味方のピンチを何度も救った。試合後は「アピールよりも勝つことが大切」と話した。


キレ戻った!俊輔2戦連続フル出場

故障に苦しんできた横浜の日本代表MF中村俊輔(31)が、W杯代表発表(10日)前最後の試合で完全復活を印象付けた。アウェー浦和戦で左MFで先発出場。スルーパスでFW渡辺の先制ゴールにつなげるなど、チームを勝利に導いた。Jリーグ復帰後は左足負傷の影響などで、途中交代が続いていたが、最近2試合は連続フル出場。プレーにも安定感が増し、視察に訪れた日本代表の岡田監督を安心させた。

 体にキレが戻ってきた。前半6分。中村は敵陣左サイドでボールを持つと、右前方にいたFW渡辺へスルーパスを狙った。ボールの位置が体から遠く、左足を伸ばす。左足を痛めたばかりの4月ごろなら、バランスを崩して倒れるような体勢だったが、この日は違った。体全体を前方にスライドさせ、左足でボールをとらえた。パス直後に座り込むような姿勢で倒れたが、ボールを受けた渡辺が先制弾を決めた。

 W杯本大会開幕まで約1カ月。司令塔の中村のコンディションは、日本の戦いぶりに直結する。左足首などを痛めた4月3日の清水戦以降は途中交代を続けたが、前節新潟戦で今季初のフル出場を果たし、この日も試合終了までピッチに立った。試合後は「(調子は)だんだん良くなっている」と、自分でも上向く体調を実感していた。

 円熟味ある駆け引きも見せた。この日は攻撃的MFとして左サイドに入った。浦和の司令塔MFポンテと対面の位置。主導権を握りたい中村は、ボールがポンテを経由しないとみた時間帯は、位置を右サイドに移して攻撃の起点となった。「あれはゲームの中の駆け引き。(ポンテとの)起点のつくり合いだったからね」。トップレベルの外国人選手と駆け引きを演じることは、本大会に向けて絶好のシミュレーションにもなったはず。試合後は「もっとフェイク(フェイント)を入れないとW杯では通用しない」と、本大会を想定した課題も口にした。

 後半35分に放ったミドルシュートは、W杯本大会に向けて練習を重ねてきた無回転のブレ球。枠内をしっかりとらえ「はまるようになってきた」。本大会を控えて、好材料が整い始めた。あとは2日後のメンバー発表で、この日視察に訪れた岡田監督が自分の名前を読み上げる瞬間を待つだけだ。
横浜Mが原点に立ち戻って浦和に競り勝った。4―0と大勝した3月20日の川崎戦と同様の4―4―2の布陣に戻し、後方からのロングボールも禁止。パスをつなぐサッカーに徹し、大量3得点を挙げた。リーグ戦での対浦和5連勝を決めた勝利はクラブ通算300勝目。「元に戻すのは一つの賭けだった。選手がよく応えてくれた」と木村和司監督(51)も笑顔を浮かべた。

 日本代表の岡田監督の御前試合で代表候補選手も輝いた。FW渡辺が前半6分に強烈ミドルをたたき込むなど2得点。MF山瀬も後半15分に粘り強いドリブルから渡辺の決勝弾をアシストした。「山瀬? 岡ちゃんが選ぶかどうか分からんけど、あんな日本人いないよ」と指揮官も山瀬らの代表入りを自信を持って“推薦”。代表勢のアピールという意味でも最高の勝利となった。
●木村和司監督(横浜FM):

「久しぶりに3点取れて、勝点3も取れてうれしい。選手は本当にようがんばった。新潟戦から切り替えてくれた。ミーティングでも言ったが、気持ちは大事。今週、それから今日のミーティングで言ったように強い気持ちで行くことを実践し、自分たちの力をちゃんと出してくれた。本当にワシ自身、うれしいです」

Q:立ち上がりから激しく前に行こうとしていたが?
「入り方も良かったですし、基本的なことを言いました。ボールを奪われたら奪い返す、ボール近くでボールを奪いに行く、相手に簡単にプレーさせない。ボールを持ったら大事に、徹底的につないでいく自分たちのサッカーをやる、裏を狙う、逆を突く、そういったずっとやってきたことが今まで出なかったので、木曜日には強く言って、それに応えてくれた。先行して、加点して勝てたの大きい。連敗しないこともいいね」

Q:気持ちが入っていたという話だが、狩野についてコメントを下さい。
「なんで(笑)? 良かったでしょ。気持ち入ってたでしょ。できる選手なのにやってなかったというか、どこかでサボっていた。ちょっとなめたことをやっていたりするんだけど、まぁまぁサッカーを知っているかな、と。まだまだ下手くそだけどね。今日はよくがんばった。かなり斜めに入っていけていたし、そのあともやっていたので多少ほめましたけどね。最後はバテたので代えましたけど」

Q:前半はレッズのボール回しにアタフタしていたが、後半はコントロールできていた。前半の評価は?
「新潟戦もそうだったけど、点を取ったあとのサッカーでオドオドしてしまった。そこがまた出た。だいぶボールウォッチャーになって、誰を捕まえるのか、どこで捕まえるかがちょっと不安定で、危ない場面が続いた。後半はそれを言って、選手が対応してくれたので良かった」

Q:最近、システム、選手をだいぶいじっているが?
「そんないじってないと思うよ(笑)。多少じゃない? 縦と横と。今の選手は本当に頭でやりすぎてますね。何を考えているか知らんけど。体で表現せいっちゅうんじゃ、ほんとに(笑)」

Q:中村俊輔が左からいろんなところに動いていたが?
「今日はそんなにたいしたプレーしてない(笑)。どこで代えようかと、常に声をかけていた。『大丈夫か、大丈夫か』って(笑)。まぁ、あんなものじゃないですよ、俊輔は。でもいるだけで違いますよ。最後までやらせたのは、そこだし、やっぱり。あいつに代わる選手は今はいないですよ」


●山瀬功治選手(横浜FM):
(ゴール前の粘るキープが決勝点になったが?)粘ってというか、ボールを取りに来る足の動き、ボールを取りにくるやり方は結構見えていたので、1つ1つ、ブロックしたりとかしながら、取られないようにできた。(チームとしてセカンドボール争いで優位に立っていたが?)前回の試合を見ていて、守備も攻撃も、もっと攻撃的に、前に行く意識があればと思っていたので、そういう意識で臨んだ。前に向かっていく意識がチームメイトにセカンドが行くという意味でも良かったんじゃないかと思う。全部が全部、相手より先というわけではなかったが、いままで遅れていたところで五分五分、もしくは僕らが一歩早い場面があった。攻撃的に行くという意識が守備面でもプラスに働いていた。(システム、ポジションが頻繁に変わるが、混乱はないのか?)今年チームとして掲げているテーマの1つとして、3人目の動き、連動性というのがあるので、ボールを動かす、相手をちゃぶる上ではサポートの質が重要になってくる。そこでフォーメーションが変わると、最初の人の立ち位置が違うので、なんとなく遅れるときはあると思う。

●兵藤慎剛選手(横浜FM):
昨日、監督からポジションを伝えられていたし、俊さんは右の方がボールを持ちやすいって言うので、僕が基本的には右だったんだけど、タイミング見ながら変えていこうというのは言っていた。健太も前に出て行くのが好きなので、たまには俺がボランチに入って、健太が前に行くっていうのも少し意識した。ボールを回す部分ではここ2、3試合に比べればだいぶ良くなったと思うが、やっぱり最後の守備のところでやらちゃいけない時間帯、後半の立ち上がりにはやられてしまったので、そういうところをもう少しチームとして修正していかないといけない。(ボランチと攻撃的MFではどっちがやりやすい?)監督が使ってくれるならどこでも。中盤はどこでもできる。でも攻撃が好きなので、前でやりたいなと思うが、前でやるからには点を取ったり、アシストが必要になってくるので、もっと貪欲にやって結果を出していければいいかなと思う。
横浜は今季初先発のMF水沼宏太(20)のアシストでFW渡辺千真(23)が先制弾を浴びせたが、逆転負けした。ボランチに入ったMF中村俊輔(31)も後半最後は前線に加わってゴールを狙いにいったが、及ばなかった。新潟には球際や1対1で圧倒的な強さを発揮された。中村は「前やサイドで起点が作れなかった。自滅でしょう」と振り返った。ハーフタイムに「プレーが軽すぎる!」と厳しく指示した木村監督も「サッカーが全然できていなかった」と厳しい表情で語った。
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