４年前に落選の中沢 久保落選に寂しさも

並んで会見するはずだった盟友がいない。スコットランド戦で負傷した右目の傷をサングラスで隠し、日産スタジアムでの会見に臨んだ中沢は終始、複雑な表情だった。「自分の名前が呼ばれた時はうれしかったけど、タツさん（久保）の名前がなくてエッ？と思った。外れないと思っていたので、うれしさ半分、寂しさもありますね」

　苦楽をともにしてきたチームメート。代表でもクラブでも一緒にいる時間が長く、最近は久保からＷ杯に懸ける思いや目標を聞いていたという。「あのタツさんがいろいろと話しかけてくれた。ずっと一緒にやってきたのに…Ｗ杯は厳しいものだとあらためて感じた。タツさんの分まで頑張りたいと思うし、マツさん（松田）の分もやりたい」。０２年は自らが落選し、悔しい思いをした。それだけに、落選のショックは痛いほど分かった。

　５年越しでつかんだ初のＷ杯ユニホーム。「いい成績を残すには個人の夢のためにやっちゃいけない。チームのためにプレーしたい」。仲間の思いを背負い、ボンバーはドイツのピッチに立つ。