横浜松田が勝利で飾るＪ１通算300戦

横浜ＤＦ松田直樹（３０）が、今日３０日の大分戦（アウエー）でＪ１通算３００試合出場を迎える。９５年にプロ入りして１３年目。マリノス生え抜き選手では初の大台到達だ。松田は「まだ通過点。もっと上を目指したい」。今シーズンは昨年末の右ひざ手術で出遅れ、開幕からベンチ外。「何度も切れた」気持ちを家族の励ましがつないだ。「プレーすることが支えてくれる家族への恩返し。とにかく勝ちたい」。節目の一戦を白星で飾る決意だ。

中沢がＧ大阪止めた

サッカー版「ハマの大魔神」が、Ｇ大阪の連続得点試合記録を３９で止めた。横浜の日本代表ＤＦ中沢は、対面したＪ屈指の肉体派ＦＷバレーを完封。今年初となるＤＦ松田とのコンビで、リーグ最強攻撃陣を０点に抑えた。

　「別に変わったことはしてないですよ」と事も無げな中沢だが、働きは出色だった。ヘディングで競り勝ち、パスを事前にカットする。試合を通して、バレーに力を出させなかった。Ｇ大阪ＦＷ播戸をして「バレーがあんなに抑えられているのを初めて見た」と驚かせた。主将の中沢に続くように、ＧＫ榎本は再三の決定機にスーパーセーブを連発。ＦＷ坂田ら前線選手も、運動量を落とさず、９０分を通してプレスをかけ続けた。

　チームにとって大きな「０」だ。「いいことを続けていれば、こういうこともある。自信にして次につなげたい」と中沢。個人的にも、アジア杯へ弾みをつけた。プロ野球横浜の元ストッパー佐々木主浩氏のように「出れば抑える」威圧感が背番号２２に加わった。

ハーフナーが高さ生かし同点劇演出

横浜ＦＷハーフナー・マイクが「マイクシフト」に応え、同点劇を演出した。清水戦の後半４２分、ＤＦ田中隼の右クロスを、最高到達点３メートル超のヘディングで角度を変えた。これがファーサイドのＤＦ田中裕に届き、競り合いの中で同点オウンゴールが生まれた。

　「あの１点はでかい」とマイク。チームは序盤のチャンスを生かせず、逆に後半１８分に失点。劣勢を打開すべく早野監督は直後にマイクを投入。さらには「マイクへのクロスボール狙い」とＤＦ田中隼、田中裕を入れ、サイドバックを４人同時起用。奇策がマイクの高さで生き、同点ゴールにつながった。試合後には「柏木も決めていたでしょ」と同じＵー２０代表の活躍も携帯サイトでチェック。クラブで結果を重ね、カナダでの戦いに備える。

横浜そっくり坂田＆斎藤で相手混乱！？

ハマのロケットボーイズ結成！　１４日、横浜の紅白戦で主力組前線をＦＷ坂田と斎藤が疾走した。カウンター攻撃の場面では、斎藤の左クロスから坂田が惜しいシュートも放った。

　「タイプが似ているから難しいと思っていたけど、ずっと組みたかった」と斎藤。この日はポスト役のＦＷ大島が腰痛で離脱。代役ながら、尊敬する先輩と公式戦で先発２トップを組む好機が来た。

　「陽介と似ているなんてショックで眠れない」と坂田は冗談めかすが、２人はスピード勝負のスタイルだけでなく、容姿もそっくり。前日坂田が約３０センチ髪を切ったため、ＤＦ田中隼が「どっちにパスを出せばいいか分からない」とからかうほど似てきた。ポジションチェンジを繰り返せば、相手も混乱必至だ。しかも坂田は１６日の相手清水との公式戦は３戦連発中、斎藤は練習試合で３戦連発中でもある。イケメン分身２トップが、横浜の攻撃を引っ張る。

横浜が横浜ＦＣ挑発「最後のダービー」

横浜が８月１１日の横浜ＦＣ戦（日産ス）に向け、過激な宣戦布告をした。１５日から１万枚が張られるポスターのロゴは「最後のダービー」。今年の最後？　いや今年で最後？　というライバルの降格を示唆したとも取れるキャッチコピーだがクラブ関係者は「どう解釈してもらってもいい」とニヤリ。１０万枚用意した告知ステッカーでも「この街にはＦ・マリノスがある」と挑発。現場もクラブの姿勢を支持しある主力選手は「前回、横浜ＦＣはこっちを削りまくってきた。要はダービーは何でもありということでしょ」と納得だ。

　「三ツ沢の屈辱」が、優等生クラブを本気にした。３月１０日、昇格直後の相手に０―１でまさかの敗戦。「負けて初めてダービーの価値が分かった。悔しくて仕方がない」と社内有志がプロジェクトを立ち上げ、リターンマッチで７万人を集める活動を開始した。

　予算は１試合としては異例の約１４００万円。横浜駅西口などに試合告知用のユニホーム型垂れ幕も多数設置し、横浜ダービー公式サイトも設立する。６月は会員限定で半額入場券販売も。満員の声援で、逆襲に転じる選手を後押しする。

　８月１１日は横浜と同じトリコロール（青・白・赤）を掲げるフランスが、第１次大戦で宣戦布告した日。８４年同日にはレーガン米国大統領が「５分後、ソ連を爆撃する」と冗談を言い大騒ぎになった。８・１１史上第３の“宣戦布告”が３００万都市横浜を揺るがす

横浜が乾、ハーフナーら若手を徹底強化

横浜の早野監督が、若手選手を徹底強化する。今日１２日からの練習では、Ｕ－２０日本代表ＦＷハーフナー・マイクやＭＦ乾ら若手に個別の強化メニューを渡す予定。選手の課題や状態によって、走り込みの量や技術力アップなどの練習内容を区別する。１３日の練習試合、流通経大戦も若手主体で臨む予定で「個人のトレーニングで、成長させたい。シビアにいく」と戦力の底上げを図るつもりだ。

横浜中沢、６月全戦完封でアジア杯へ

横浜ＤＦ中沢佑二（２９）が「６月全戦完封」の自信を引っ提げて、３連覇のかかる日本代表のアジア杯に挑む。１１日、横浜市内で、１６日の清水戦（日本平）に向けた調整を開始。７月９日開幕のアジア杯前のＪリーグ戦残り４試合で、完封のノルマを自らに課した。前回０４年の同杯直前には、６月を４試合１失点に抑えて全勝。クラブでの勢いをアジア制覇に結びつけた。Ｗ杯ドイツ大会から、ちょうど１年。日本の大黒柱が再び、エンジン全開で真夏の決戦に臨む。

　日差しが強まり、気温が上がると、中沢はジッとしていられなかった。全体練習を終えても、ピッチに居残り、昼食を遅らせてまで約２時間、黙々と走り込んだ。「いい季節になりましたね」。これから始まる真夏の戦いへの思いが、体を突き動かした。

　今月のＪリーグ戦残り４試合を終えると、代表招集が確実なアジア杯が待っている。連覇を狙うには、直前のリーグ戦の戦い方が重要になると分かっている。「攻守を中途半端にやると失敗する。昔から守ろうと思えば、うちのチームは守りきれる。それをやるしかない」。退場者を出しながら１－０完封勝ちした、９日の千葉戦で思い付いた。６月全５試合で完封。自らに課したノルマだった。

　代表でレギュラー定着の足掛かりを築いたのが、前回０４年のアジア杯だった。直前６月のＪリーグ戦を４試合１失点の全勝で終え、同杯全６試合フル出場で２得点の活躍につなげた。だからこそ「代表のことは今、まったく考えてません。クラブに戻っても、うちに俊輔（中村）がいるわけではないから。マリノスに集中です」と言い切れる。

　今日１２日は、逆転負けを喫したＷ杯ドイツ大会初戦のオーストラリア戦から、ちょうど１年。１次リーグ敗退の責任を感じ一時は代表引退も考えたが「もう１度、ゼロから再出発したい」とブルーのジャージーに袖を通した。「１年か…。もう、そんな時期なんですね」。横浜では主将を務め、代表でも主力としてリーダーシップを求められる立場。昨年果たせなかったクラブと代表を両立させ、真の大黒柱へ－。中沢の夏が、始まる

横浜火付け！！「陣取り合戦」ぼっ発

横浜市に「仁義なき陣取り合戦」がぼっ発する。火を付けるのは横浜。まずは横浜駅相鉄口に「ダービー通り」を完成させる。神奈川県内商業地地価トップの繁華街を横切るパルナード通り約１００メートル間に、大型垂れ幕を８枚設置。電信柱をトリコロール（青・白・赤）に塗り、マリノス一色にする。横浜ＦＣ奥寺会長がなじみの居酒屋があるため、付近には水色の横浜ＦＣクラブ旗が乱立。そんなライバルの地盤に、鋭くくさびを打ち込む。

　プロ野球横浜の「エリア」にも殴り込む。中華街中央の「関帝廟通り」約３００メートル間にも、大型垂れ幕２０枚を設置した。修学旅行生なども多く、全国にクラブをＰＲできる一等地。横浜スタジアムに近いベイスターズ陣地中央だ。

　今月就任の斉藤新社長は「都会派クラブ気取りはもうやめ」と言い切る。名門もここ２年で１試合平均集客数が約３０００人減少。カズ擁する横浜ＦＣに話題をさらわれることも多い。巻き返しへ、ついに強攻策が取られた。日産スタジアムのある港北区の各商店街には、約２０００枚のバナーを設置。物量作戦で観客動員アップを狙う。

横浜ボックス型へ守備的にシフトチェンジ

横浜が今季１１戦９得点の浦和ＦＷワシントン封じへ、磨き上げてきた「ダイヤモンド」を捨てた。明日２７日の浦和戦（埼玉ス）へ向けた紅白戦で、早野監督は中盤の構成を変更。河合を１ボランチとした従来の攻撃的なダイヤモンド型布陣から、ボランチ２人の守備的なボックス型へとシフトチェンジした。全員攻撃の徹底を訴えてきた早野監督だったが、公式戦３連敗で突然の心変わり？　早野監督は「浦和は個々の破壊力が高い。ワシントン１人にやられたらつまらない」。低迷脱出へ、「宝石」はいったん「箱」にしまい込む。

横浜が低迷脱出へ青空ミーティング

横浜が低迷脱出へ３０分間の青空ミーティングを行った。２３日のナビスコ杯柏戦で０―３と敗れ、公式戦３連敗。早野監督はサブ組が練習をする傍らに主力組を集め「前線とＤＦラインで考え方にズレがある。中沢と山瀬功に、みんなの考えを聞き出せと指示した」と話し合いの場を設けた。選手たちはプレスのタイミングや、試合運びなどについて意見を交換。主将のＤＦ中沢は「浦和戦（２７日）まで時間がないので、戦術的には大きく変える事はできないけど、いい形でリーグ戦中断を迎えたい」とうなずいた。