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俊輔が凱旋試合でいきなり魅せた。エスパニョールから横浜に移籍した日本代表MF中村俊輔(31)は、約8年ぶりのJ復帰戦となった13日の湘南戦(日産ス)に右MFで先発出場した。前半22分には右CKからDF栗原勇蔵(26)の先制点をアシスト。正確なパスで決定機をつくり、惜しいシュートを放つなどチームをけん引し、3―0での今季初勝利に導くとともに、木村和司監督(51)に就任後初白星をプレゼントした。

 期待は絶対に裏切らない。その一挙手一投足が注目された2792日ぶりのJ復帰戦。テレビカメラ14台、報道陣約130人が詰めかける中、中村がスターたるゆえんを見せつけた。0―0の前半22分、得意の左足から放たれた右CKは弧を描きながら、DF中沢、栗原のツインタワーが陣取るファーポストへ。中沢の背後から飛び込んだ栗原が頭で叩き込んだ。

 3―0の快勝を呼び込む貴重な先制アシスト。「プレッシャーはあった」と言う中村はその重圧の中で結果を出して横浜に今季初勝利をもたらした。「小さなミスも大きく見えてしまう。初戦は難しいと思っていたんで勝てて良かった」とホッとした表情を浮かべた。

 10日に生まれた第3子の三男にささげるアシストにもなった。木村監督が「めでたいのう。揺りかごダンスしてやりたいよね」と予告していた通り、栗原のゴール後は中村の周りに自然と輪ができ、中村を含めたフィールドプレーヤー10人で揺りかごダンス。中村は「オレはそんなキャラじゃないけど、みんながやってくれたのでやった」と照れくさそうに笑った。

 主力組との練習はわずか3日。主力組で臨んだ初実戦となった11日の紅白戦でも連係面で不安を残していたが、そこは百戦錬磨の中村。本番にきっちり照準を合わせてきた。前半6分にMF山瀬の左クロスに合わせゴール前に走り込み左足ダイレクトでシュート。惜しくも外れたが、その後も正確なサイドチェンジで決定機をつくるなど、欧州で培ったプレーを披露し、3万2228人の観客を何度も沸かせた。就任後初白星をプレゼントされた木村監督も「リズムを変えられるし、キックは本当に素晴らしい」と手放しで称えた。

 後半39分に交代した中村は「体の切れがイメージと違った」とまだ本調子にほど遠いことを強調した。それでも結果を残すところが成長の証だ。4日に日産スタジアムで行われたメディカルチェックでは、中村の肉体が欧州でパワーアップした事実が証明された。エアロバイクを40秒間最大の力でこいで心肺機能などの回復力を測定するテストを行ったが、06年W杯ドイツ大会直前の数値と比べ、乳酸値が大幅に減少し、脈拍数の変化で調べる回復度が2倍近く向上していたという。

 「今週はどういう練習をやるか内容も把握できたから、来週からはメンタル的にもフィジカル的にも合わせられる」と中村。今後コンディションが上がれば、さらなる活躍が期待できる。上々の再デビューを飾った天才レフティーが、名門マリノス復活へ、そしてW杯4強入りへ走り始めた。
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横浜Mは、木村和司監督(51)就任後の初勝利を飾った。湘南戦前、日本代表MF中村俊輔(31)を加えた紅白戦は1回しかできず控え組に0―3と大敗したが、神奈川ダービーで見事に機能。指揮官は「やっぱり勝つのはいいね」と笑顔を浮かべた。

 俊輔効果が早くも表れた。中盤でボールが収まり、周囲の選手も生きた。「そこで緩急をつけてくれたのは大きい」とDF中沢。放ったシュート29本は、1998年10月14日の清水戦の28本を抜き、クラブ最多の数字だ。

 俊輔加入で控えに回ったMF狩野も奮起。途中出場の後半45分に約25メートルの強烈ミドルで加点した。指揮官は狩野に「俊輔が代わるときはお前しかおらんぞ。チャンスをものにすれば、お前は世界に行けるんだぞ」と伝えていたことを明かし、「ワシに対する怒りのシュート」とその反骨精神を評価。チームは価値ある1勝を手にした。
横浜の3点目は中村と交代して出場した狩野が奪った。右足を振り抜いた豪快なミドルシュートにスタンドがどよめいた。中村の加入で先発を外れたMFは「アピールしかないので。いろんな思いがあったし、決められたのは良かった」と静かに振り返った。

 木村監督は「あれは(先発を外した)わしに対する怒りのシュートだな。あれくらいの気持ちを出してやってくれないと。それにしても怒っとったね」と奮起ぶりがうれしそうだった。
MF中村の7年半ぶりのJリーグ復帰戦として注目の一戦。右MFで先発した中村は前半7分、ゴール正面でミドル弾を放つが枠を外す。横浜は中村にボールを集めながら、ゲームを優位に展開。22分、中村の右CKにDF栗原が頭で合わせて先制。前半を1-0で折り返した。

 湘南は後半に入っても敵陣で勝負できず、なかなか攻め込めない。横浜は後半16分、MF山瀬のシュートのこぼれ球をFW渡辺が左足で押し込んで2-0。と中村は39分にMF狩野と交代。その狩野が45分に豪快なミドル弾を決めた。横浜は3-0で今季リーグ戦初勝利を飾った。
●木村和司監督(横浜FM):
「いや良かった。もう2点、3点取りたかったが・・。楽しいサッカーと言ってきたけど、勝つのもいいものですね。選手の倍くらい、嬉しかった」

Q:中村のプレーについて。
「本調子ではないが、十分働いてくれた。早めに代えてあげたかったが、勝ちたかったというのがあった。あそこでタメが出来るというか、リズムの変化が出来た。もっともっと彼のいいところを引き出してあげるというのが、周りの選手の仕事だと思う」

Q:試合前、中村選手に指示したことは?
「そんなに多くはないが、自分の考えているパスのコースとか、失敗してもいいから出していけば、と言った。これから、どんどん彼が自分のプレーを味方にさらけ出すというか、出していってほしい」

Q:3点目の狩野選手のゴールについて。
「あれは、ワシに対する怒りのシュートだったね(笑)。すごい気持ちが入っていたね。決まっても、あんまり喜んでいなかった」

Q:選手時代とは違って、よく走るサッカーをさせているが。
「やっぱりサッカーは走らなければ。ワシも30歳前ぐらいに分かりましたよ。自分のいい考え、いいアイデアとかいい技術を持っていても、それを出すのは体。選手には楽しんでもらいたい。そのためにも、走らないけん!」


●中村俊輔選手(横浜FM):
「日産スタジアムでトリコロールの応援を見て、帰って来たと感じました。コーナーキックは、むずかしいボールをよく勇蔵が当ててくれました。セットプレーはこれからも武器にしていきたい。得点の後のゆりかごダンスは、みんなが“やりましょうよ”と言ってくれていた」

●山瀬功治選手(横浜FM):
「今年は開幕から、ドリブルで行けそうなところは行くようにしている。前節はグラウンドがスリッピーでしたけど、今日は『行けたかな』とは思いました。ただ、フィニッシュという課題が残る。2点目も、本当はあそこで(自分が)決めたかった。でも、こぼれ球を千真がしっかり詰めてくれた。しかし、ドリブルで抜けていたので、あそこは決めなければいけない。今週の紅白戦の時は、全体的に探り探りのところがあった。全員がちょっと足元のパスが多かった。今日は、できるだけグラウンドをワイドに使えればいいなと思っていた。僕と俊さんで両サイドの高い位置で開いて、起点が作れたかなという気がします」

●兵藤慎剛選手(横浜FM):
「みんなが余裕をもってプレーできていた。今週の紅白戦があまりよくなかった。自分は俊さんを意識し過ぎていたので、今日は普通にやるようにした。俊さんの良さである足元にボールを入れて、ボールを触ってもらうようには意識していた。特徴を生かしながら、自分も生かしていければと思っていた。開幕戦の時は高い位置でのボールの収まりが良くなかった。収まってもバタバタしていたので、そこで力をフッと抜くようなプレーを俊さんはしてくれる。みんなも落ち着いたので、良かったと思う。
楽しくサッカーができた。最後のシュートはポストに当てました(苦笑)。『なんでだよ~』と思ったんですけど、しょうがないですね。練習しておきます」

●栗原勇蔵選手(横浜FM):
「交代したのは左足のもも裏を、つっちゃったから。痛くて本当に自分との戦いでした。久しぶりの公式戦だったので、その割には良かったかな。紅白戦だけしか出ていない。相手の田原選手とは、前半に腰に当たってきてファウル気味だった。悔しかったけど、そのほかは当たる場面がなかった。彼の顔を見てバテているのがわかったから、しめしめと思っていたけど、自分が先にバテた(笑)」

●波戸康広選手(横浜FM):
「久々のF・マリノスでの試合で、スタメンで出させてもらって、いい緊張感でプレーできた。これからもチームを活気づけるような、前向きなプレーをしたい。F・マリノスは攻撃的なチームなので、自分も、より攻撃的にプレーしたい」
横浜MF中村俊輔(31)が、課題を残したまま、復帰戦を迎える。11日横浜市内での非公開練習では、主力組として紅白戦(20分×2本)に出場。ところが控え組の奮闘もあり、好機演出の機会は少なく、主力組は0-3で完敗した。

 5日のチーム合流後、主力組に入って初の試合形式。13日のJ復帰戦(湘南)に向け、連係を確かめる機会でもあった。「(連係不足は)それが普通でしょ。自分がボールを持った時(ほかの選手が)どう動きだしをするのか見ていた」と冷静に受け止める。木村和司監督(51)も「(連係は)良くなかった。周りも(中村が)何するんだろうというのがあったのかも知れない」と、互いに手探り状態であることを認めていた。

横浜Mの日本代表MF中村俊輔(31)が、J復帰戦となる湘南とのホーム開幕戦(13日)で、必殺FKでの勝利を宣言した。俊輔は11日、横浜市内の練習で初めて先発組に入り紅白戦に出場。移籍直後の連係不足を補うためには、セットプレーから自らのFKが勝負のカギとなると分析。日本代表の岡田武史監督(53)の御前試合でエース健在をアピールする。

 未完成のまま勝つために、俊輔が伝家の宝刀を抜く。

 「連係は未完成? それは普通。チームに入ってまだ時間がたっていないから。そんな時はセットプレーが大事になる」

 11日午前、横浜市内で行われた一般非公開練習。エスパニョールから7年半ぶりに復帰後、初の紅白戦を終えた司令塔は前を見据えた。

 木村和司監督(51)が先発起用を明言した日産スタジアムでの湘南戦は2日後に迫った。しかし、2月28日に移籍会見を終え、10日に三男の誕生に立ち会ったエースの主力組との練習はわずか2日目。代表で共闘経験を持つDF中沢、MF山瀬以外の大半が実戦で初顔合わせだったため、連係不足は明白。サブ組に0―3で敗れてしまったが、百戦錬磨の俊輔に焦りはなかった。

 泰然自若の根拠はセットプレーだ。「ボンバー(中沢)、勇蔵(DF栗原)…。マリノスにはいいターゲットが多い。千真(FW渡辺)にも入ってもらう。枚数を増やして、ゴールを狙う。明日はもっと細かい話をする」。決戦前日にはFK会議を主催する。代表でホットラインを築く中沢は身長187センチ。184センチの栗原、181センチの田中という大型DF陣に加え、181センチのFW渡辺を加えた“新マリンタワー”を俊輔の高性能クロスが捕捉する。
「いいボールがどんどん入ってくる。決められなかったら、中で合わせる人の責任」この日のセットプレー練習後、栗原はこう語った。岡田監督が視察予定。「コンディションはあまり良くない」という木村監督の弱音を黄金の左足で振り払い、チームを今季初勝利に導く。
横浜の日本代表MF中村俊輔(31)が課題を抱えたまま、約8年ぶりのJ復帰戦となる13日の湘南戦に臨む。11日に試合会場の日産スタジアムで紅白戦(15分×3本)を行い、主力組での初実戦となった中村は右MFでプレー。だが、控え組に0―3で敗れるなど連係面で不安を残した。ほぼぶっつけの状態で、チームの今季初白星は中村の適応能力に託されることになった。

 紅白戦1本目。中村が開始30秒で魅せた。MF兵藤の左クロスをゴール中央でトラップして左足で強烈なボレー。シュートは惜しくも外れたが、名刺代わりの一撃となった。だが、その後はチーム全体の意識が守備に偏り、控え組の勢いの良さだけが目立つ結果に。0―3で敗れ、中村も「中盤のマークの受け渡しがあまりうまくいかなかった」と振り返った。

 欠場した6日の開幕戦・FC東京戦ではスタンドでチームメートの動きやクセを研究したが、主力組との実戦形式の練習はこの日が初めて。中村もチームメートも、お互い手探り状態でのプレーとなった。中村は「様子見?それが普通でしょ」と調整段階を強調したが、一方で「中盤は中盤、FWはFWという感じでサッカーをしている。だから厚みのある攻撃がなくて単発な攻めになった」と2日後に迫ったJ復帰戦に向け連係面での不安を口にした。

 チームは開幕戦で攻撃陣があと一歩で得点を奪えずに零敗。湘南戦で初勝利を挙げるには中村の高い技術が欠かせない。この日もDFラインの裏に飛び出したMF長谷川アーリアに切れ味鋭いパスを送るなど、攻撃に変化を与えた。長谷川が「動きを見てくれている」と言えば、中村と攻撃の軸を担う山瀬も「俊さんのところで(ボールが)収まるのでリズムに変化が出てくると思う」と期待を寄せた。それでも、12日は軽めの調整となるため、主力組での実戦練習はこの日だけ。昇格組の湘南相手に、絶対に負けられないホーム開幕戦。わずかな時間で、中村がチームに適応したプレーを見せられるかに注目が集まる。
横浜Mの日本代表MF中村俊輔(31)は11日、横浜市内での紅白戦に40分間フル出場。0-3で控え組に敗れ、「厚みがある攻撃がない」と連係面の課題を口にした。

 第三子誕生で前日の練習を欠席。この日が主力組での初実戦とあって、木村監督も「よくなかったね。周りも『何をするんだろう』というのがあるのかも」と認めた。しかし、開始30秒の左足ボレーなど実力の一端もみせ、「ゲームの中でどれだけ合わせていけるか」と明言。13日のホーム開幕・湘南戦での再デビュー予定に変わりはない。

 湘南の前身・平塚からJ初ゴール、J初ハットを決めた相性の良さもある。契約書へのサインも終えて準備万端。8年ぶりの舞台へ、「試合前にうまくいきすぎるよりは良い」と、前向きにとらえた
リーグ戦黒星スタートとなった横浜の木村和司監督(51)がDF栗原勇蔵(26)の復調を喜んだ。2月中旬に右太もも裏の肉離れで戦列を離れていた栗原は10日、横浜市内の練習場で行った紅白戦に参加。次節13日に湘南戦の先発が濃厚となった。紅白戦では積極的にボールを奪い、敵陣に攻め込む場面もあった。木村監督は「(復帰が)うれしくてしょうがないみたいで、ガンガン(敵陣に)上がっていきよって」とうれしそうに話した。

 栗原も「怖さは少しあるけど、久々に(ゲーム形式で)ボールに触れた感じなので楽しかった」と満足げな表情を浮かべていた。

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