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U―17アジア選手権は11日、シンガポールで準々決勝を行い、1次リーグA組1位の日本はB組2位のイランをPK戦の末に下し、来年8、9月に韓国で開催されるU―17W杯出場権を獲得した。日本の同大会(旧U―17世界選手権)出場は3大会ぶり4度目となる。

 日本は前半14分にMF柿谷(C大阪)のゴールで先制したが、後半に追いつかれた。延長でも決着がつかず、もつれこんだPK戦を8―7で制した。この結果、日本は確実に出場権が得られる4位以上が決まった。

 日本は93年、95年、01年に本大会に出場。日本開催の93年は中田英寿氏、宮本(G大阪)らが出場して8強。95年エクアドル大会は小野(浦和)稲本(ガラタサライ)高原(フランクフルト)ら、01年トリニダード・トバゴ大会は菊地、成岡(ともに磐田)らが出場したが、いずれも1次リーグで敗退した。現在のU―16日本代表は、高校1年でプロ契約を結んだ柿谷や、横浜の水沼貴史監督の長男・宏太(横浜ユース)ら中盤にタレントがそろう。本大会での上位進出が期待される。
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たとえ10人になっても、今の横浜には関係ない。生き生きとボールを追いかけ、開幕4連勝時以来の2度目の連勝。初陣となった27日の京都戦に続く勝利を収めた水沼監督は「僕は大したことをしていない。試合をコントロールしてくれた選手が素晴らしかった」と選手の頑張りを称えた。

 前半12分にオウンゴールで先制したが、中盤でのミスも多く出来は悪かった。28分のMF奥の退場がターニングポイントだった。数的不利となり逆に10人が結束した。その成果が後半32分の得点シーンだ。FW久保から中央の上野を経由し、右に開いてフリーで受けたMF田中隼が右足で鮮やかに左隅へ蹴り込んだ。

 田中隼は「いいボールを出してくれればシュートするだけ。ゴールはおまけです」と選手の動きがかみ合っていることを強調した。1人少ないところを全員がカバーし合っていた。岡田前監督から「運動量がない」と指摘されたFW久保はタッチライン際まで必死でボールを追いかけた。

 岡田前監督の辞任を受けて、暫定的に就任した水沼監督。結果が出なければ立場が危うくなるところだった。だが、今季初の2戦連続完封勝利で12位から9位に浮上。中村取締役は「4―0、3―0だし、その辺はきっちりしないといけない」と“暫定”を解く考えを示した。沈んでいたモチベーションを前向きに変えた。今度は水沼カラーを堂々と前面に押し出していく。
勝利の瞬間、水沼監督はベンチの前で思わずガッツポーズをつくった。監督経験のなかったコーチが、監督になってわずか4日目。今季J1で8人目のシーズン途中の監督就任となった水沼監督は「短い期間だったが、いい雰囲気をよみがえらせたかった。ホッとしたというか、(岡田前監督に)ささげたい、そんな感じですね。とりあえず1回勝ちましたよ、と言いたい」と選手を見つめながら笑顔を見せた。

 10年間の解説者生活に別れを告げ、日産自動車時代の83年から一筋だった古巣のコーチとして、今季から指導者の道を歩み始めたばかり。それが突然の監督就任。監督業が初ならベンチに入ったのもこの日が初めてだった。しかし、それが良かったのかもしれない。

 「今、ああやろう、こうやろうと言っても難しい。だから、何が(その選手の)特徴でいいプレーかを分からせれば、それをやろうとする」。試合前のミーティングで選手1人ずつに自分の特徴を伝えた。「トリコロールのユニホームで目を輝かせてほしい」。それだけで、選手は個々の持ち味を発揮し、信頼感と一体感が生まれた。

 それが形になったのが前半31分。MF奧、山瀬功と渡ったボールを受けたFW久保が、先制ゴールを決めた。リーグ戦のゴールは4月8日の大宮戦以来141日ぶり。「まあ、勝って自分なりに仕事ができて良かった」。久保はそっけなく話したが、このゴールにはメンタルだけでなく、戦術的な狙いも隠されていた。

 岡田前監督がためらってきた久保の1トップを、水沼監督はすぐに採用した。11試合出番のなかった奥と久保のあうんの呼吸。ドリブル突破の山瀬功。2人をトップ下で並べて、久保を生かした。山瀬功は全4点に絡む2得点2アシスト。奥も後半14分に今季初得点。チームの4ゴールは3月5日の開幕戦以来だった。

 主将のDF松田は「岡田さんは今の礎をつくってくれた。メンタル的な部分を水沼さんが変えてくれた。短期間でこれだけ変わるのかと驚いた」と分析してみせた。日産の同期でも、監督としては先輩となる柱谷監督との、トリコロールの誇りを懸けた対決。古巣の伝統を背負った水沼監督の下、マリノスがようやく復活の足がかりを得た。
岡田監督の辞任を受け、元日本代表で前身の日産自動車時代から活躍したOBの水沼コーチが監督に昇格した。この日、左伴社長から「戦況を見てやってもらう」と暫定的な意味合いを示されたが、チームを思う気持ちは熱く就任を即答。「厳しいことは分かっている。でもトリコロールのユニホームを着た選手が躍動感や、生き生きと目を輝かせて練習や試合をできていなかったのが歯がゆかった」と名門復活への思いを一気に語った。

 練習では選手に「120%でやるからついてきてくれ」と訴えた。試合の間隔が短いため「岡田さんをベースにする」とは話したが「ボールは前へ運ぶものだと伝えたい」と決定力不足を克服する攻撃的姿勢をのぞかせた。Jでの監督経験はゼロ。だが「勝利への執着心、選手をよみがえらせたい」と情熱で低迷を打開する。

 ≪松田「勝つしかない」≫選手は24日、練習前に岡田監督本人から辞任のあいさつを受けた。主将のDF松田は「ふがいない。選手が勝って優勝争いをしていれば…」と話し、今後に向けては「(水沼新監督は)楽しんでやろうと言っていた。もう勝つしかない」と気持ちを切り替えた。札幌時代からの“恩師”の日本代表MF山瀬も「立ち止まっている暇はない。岡田監督もこうなってマイナスとかになることを望んではいないと思う」と京都戦での勝利を誓った。
J1で12位に低迷する横浜は24日、岡田武史監督(50)の辞任を発表した。同監督は23日の大宮戦で敗戦後、クラブ側に辞意を伝え、クラブ側もこれを了承した。後任監督には、横浜と前身の日産自動車で活躍した元日本代表MFの水沼貴史コーチ(46)が昇格する。

 就任した03年から2年連続Jリーグを制するなど、輝かしい経歴を誇る知将が、4年目のシーズン半ばで辞任することになった。チームは現在、12位と低迷。岡田監督は「勝負に対する執着心が薄れてきた。チームと選手には迷惑をかけられない」と決断の理由を語った。

 今季は開幕4連勝の後、15試合でわずか2勝。優勝が難しくなった7月26日の磐田戦で敗れた後に進退伺を提出したが、クラブ側に続投を促された。だが19日の最下位・C大阪戦に完敗すると、今度は辞任を申し出た。この時も慰留されて23日の大宮戦に臨んだものの連敗。プライベートに不幸があったことも影響し、試合後に「もう無理です」とあらためて辞意を伝えた。「ファイティングポーズが取れるか」を監督の条件の1つに挙げていた左伴繁雄社長は「勝負への執着心が薄れたと言われたら受け入れるしかなかった」と話した。

 失速の原因について岡田監督は「チームマネジメントがしっかりできなかった」と体制づくりの失敗を挙げた。昨季も9位に終わり、優勝を誓った今季は自らスタッフを代え、選手補強も希望通り。だが故障者が続出し練習での緊張感も薄れ、求心力が低下。監督批判を口にする選手も出て、チームは一体感も方向性も失った。過密日程の最中の辞任は極めて異例だが「自分だけのうのうとしているわけにはいかない」とけじめをつけた。貢献度を踏まえ昨年の1回を含む計3回も慰留してきたフロントも最後はフォローできなくなっていた。

 これを機にクラブは故障者続出の原因となったアンジェロ・フィジカルコーチを解任。岡田監督と一心同体の小山哲司トップチームディレクターも「辞める」と辞意を漏らしており、このまま岡田色は一掃される。水沼新監督の下、27日には京都戦が迫る。名将の辞任は、チーム再生の特効薬となるかどうか注目される。

 ≪岡田監督に聞く≫

 ――辞任の理由は?

 「今年は優勝しますと、いろんな手だてをしてもらい、コーチを切ったり非情な決断をしてきた。結果が出なくて、自分だけのうのうとしているわけにはいかない。3年8カ月、チームと選手に感謝したい」

 ――失速の原因は?

 「戦術よりチームマネジメントがしっかりできなかった。勝負への執着心を示してやれなかった」

 ――苦しんだ部分は?

 「一段上のサッカーを目指したが、結局はマルケス頼り。サッカーの方向性を変えるかどうか苦しんだ」

 ――監督を4年やることは難しいのか?

 「3年も4年も変わらない。4年目でどうこうっていうのはない」

 ――こうしておけば、というのは?

 「たくさんあるが、後悔していない。力がなかったということ」

――今後は?

 「それほど蓄えがないので、働こうと。体を動かさないといけない。サッカーの世界に戻るかはちょっと分からない」
横浜のFW久保が23日の大宮戦(三ツ沢)で5試合ぶりに先発する。この日の前日練習ではハーフコートの紅白戦で先発組に入り、切れのいい動きで復調を感じさせた。久保は「痛いところはない。90分間できるかどうか、やってみないと分からないけど頑張る」と意欲的。前回の大宮戦(4月8日)では頭で会心ゴールを決めただけに、懸かる期待は大きい。岡田監督も「きょう(22日)体が切れて、あした(23日)も切れてほしい」と話していた。
栗原はアクシデントで途中交代したDF坪井に代わって、後半15分から急きょ出場した。突然の出番だったが「闘莉王とは何も話はしなかった。試合中に話ができたし」と強心臓の持ち主は堂々とプレー。「これで代表キャップついちゃった」と思いがけないデビューに笑いが止まらない様子だった


≪坂田びっくりトップ下≫坂田は後半41分から途中出場した。当初は田中達と交代する予定だったが、結局は負傷した三都主と代わった。03年世界ユース得点王を誇るFWだが「すごいタイミングで三都主がケガしたからトップ下をやりました」と“衝撃”のデビューに苦笑い。しかし、出場時間も短く「自分のポジションがなかったから…」と次は先発出場を目指す
オシムジャパンのゴール“第1号”は追加招集のFW坂田だった。前半1分。ゴール前のこぼれ球を左足で先制した。FW登録が4人のため「重くなって動けなかった」と自らの判断で下がりめのポジションを取ってプレー。16分には田中達へのパスで2点目を演出し、さらに3―0で迎えた前半25分には左からのクロスで佐藤のヘッドをアシスト。03年世界ユース得点王は走り回って1得点2アシストと奮闘した。

 「練習でも常に動いてるっていうのがあったし、楽しみながらできた。1得点2アシスト?関係ない。もっと自分のプレーをしないと」。今季は度重なる両太腿裏の故障に苦しんだが、ようやく復活。追加招集という立場は十分に理解している。「ここからは自分次第。最大限に自分を出せるようにしたい」と気合を見せていた。
横浜のMF田中隼が、初のA代表入りを果たした。オフだったこの日は、チーム関係者から伝えられ「非常に光栄。マリノスがあったからこそ選ばれたわけだし、普段からやっているプレーを見せたい」とコメントした。

 運動量を測定するVMAテスト(有酸素性最大スピードテスト)では、A代表でトップだった中沢、小笠原の数値を上回るアスリート。オシム監督の走るサッカーを意識し、最近はモチベーションがさらにアップしているという。3日のセルティック戦では視察に訪れたオシム監督の目前でアシストを決めるなど、親善試合とはいえ、最後まで全力で走り抜いた。04年アテネ五輪のメンバーには選ばれなかったが、“日本一”走れる男のタフネスぶりを、オシムジャパンで存分に発揮するつもりだ。
【横浜3―0セルティック】チーム内の激しい競争を象徴するかのような快勝だった。控え選手が次々と結果を出した。まずは前半4分、DF栗原のフィードからMF平野がドリブル突破しクロス。ゴール前にいたFW大島が得意のヘディングで先制ゴールを決めた。

 「相手のDFがボールウオッチャーになっていて、逃げたらフリーになれると思っていた」という大島。昨季はチーム最多の9得点を挙げたが、今季は11試合出場でフル出場が3試合。3得点しているが、勝利に結びつくゴールはない。与えられたチャンスで結果を残すことが必要だった。「どんな試合でも結果を出したかった。出場機会が増えるように。点を入れて自分の感覚を良くしたいっていうのがあったから」と気持ちが入っていた。

 前半40分にはMF田中隼のクロスをFW清水が頭で合わせ2点目。さらに後半33分にはチームNo・1のキック精度を持つ20歳のMF狩野がFKを直接叩き込んだ。中村にあこがれる狩野は試合前「壁になって(中村の)キックを見たい」と話していたが、後半15分から出場して、中村顔負けの芸術的な一発を見舞った。勝利に貢献し「ホッとしてます。でも俊輔さんのキックは鋭かった。今後の参考にしたい」と収穫を口にした。

 7月30日の新潟戦で6戦ぶりに勝利を挙げ、昨季2冠のスコットランド王者を倒した。4日から3日間のオフに入るが「この勝ちで気持ち良くオフに入れる」と岡田監督は言った。横浜がやっと自信を取り戻した。

 ≪松田 久々再会に笑顔≫主将を務めるDF松田は両ひざを痛めていることもあり、前半だけの出場だった。それでも得意の攻撃参加で見せ場をつくり、スタンドを沸かせた。試合前にはセルティックのゲームキャプテンを務めた中村とコイントス。久々の再会を「やったことがないから分からない、と話していた。もっと話したかったけどね」と笑顔で振り返っていた。

 ≪中沢VIP席で観戦≫右でん部肉離れから復帰したばかりのため、大事をとって出場を見送ったDF中沢は、VIP席で観戦。「いい試合でした」と満面の笑みで会場を後にした。この日はオシム監督や田嶋専務理事が試合を視察。日本代表引退の意思を固めた中沢の慰留をもくろむ田嶋専務理事は「会っていない」と接触を否定していた。
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