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●木村 浩吉監督(横浜FM):

「こういうトーナメントで大事なことは、先制されないこと。先制されるときついよと話していた。
今日は、長谷川を先発させるところを小椋を起用したのは、守備的にというわけではなく、彼が中盤に入ることでファーストディフェンダーがはっきりするだろうと考えた。心配していたリスタート、CKから失点してしまった。選手はモチベーション高く、ハーフタイムに選手同士で修正点も話し合っていたので、これはいけるかなという感じだった。
前半、坂田がアクシデントで交代した。ここのところ好調だったので、彼のスピードを生かしてDFラインの裏を突く狙いだった。しかし、坂田に代わって入った山瀬がドリブルから個人技で追いついてくれた。その後にいい時間帯もあったが、ミスから勝ち越し点を奪われた。
1-1の時間が長かったので、長谷川と兵藤をもう少し早く交代させる選択肢もあったのだが、タイミングが難しかった。
天皇杯は、昨年準決勝までいった。選手たちとこのチームで1試合でも多く戦いたいと話していた。また自分が指揮を執るわけではないが、目標であるACLにも連れて行ってあげたかった。
選手たちは、モチベーションも高く臨んでくれた。ベスト16で終わって残念です。大勢のサポーターも本当に最後まで応援してくれましたし、選手も誰一人あきらめている選手はいなかった。応援してくれたサポーターには、非常に申し訳ない気持ちです。
最後に金根煥と栗原が前線に上がったが、ボクの指示ではなく勝ちたいという選手たちの意思。このような彼らの判断は、すごく評価してあげたたい。
選手たちのモチベーションを落とさず残り3試合を戦って、今年やってきたことの集大成として、選手と一緒に全力で頑張っていきたい」

Q:この2年間の監督の仕事で、心残りは?
「いろいろあるが、言い訳になってしまう。最終形を見出そうとスタートしながら、最終形に辿りつくことなく終わってしまうことは心残りだ。しかし、ボクがやってきたことが間違っていなかったと、選手たちは多少なりとも理解してくれていると思う」


●小椋祥平選手(横浜FM):
「自分は、基本的に右MFに入った。途中、マツさん(松田)が攻撃好きなので、ポジションチェンジした。でも、(河合)竜二さんがボランチ1枚になり、バランスが悪くならないように、というのを心がけた。
監督が試合前から、こういう試合はセットプレーや自分たちのミスからの失点が大きいと言っていた。それで2点ともやられてしまったので、もったいなかったですね。お互い拮抗した力のチーム同士だと、そういうところで差がつくと思う」

●長谷川アーリアジャスール選手(横浜FM):
「今日は、どうもこうもない。ああいう結果になったらしょうがない。次に切り替えます。また課題を見つけて、練習で頑張り、試合に出られるようにしたい。
途中出場する時は、ピッチ3分の1の攻撃ゾーンに入ったら、好きなことをやれという指示があった。
スタメンを外れたことは悔しいけど、今日は勝たなければいけない試合。そんなことを言う前に、たとえベンチスタートでも途中から何かしてやろうと思っていた。気持ちを落とさず、やっていまいたね」

●飯倉大樹選手(横浜FM):
「悔しい以外、何もない。負けたのは自分たちが弱いから。それ以外、言うことはないです。内容が良くても勝たなければ意味がない。結局は結果なんで。
1失点目は、CKからニアサイドで合わされて、ファーサイドのマークがずれていた。1点目も2点目も自分たちの不注意から始まっている。もっと気迫だったり、相手のように絶対やられないという気持ちをもっていれば、どうにかなったはず。自分も含めて、その辺が足りない」

●渡邉千真選手(横浜FM):
「ほとんどうちのペースだったから、自分たちの時間帯の時に、ゴールできていれば、自分たちの試合になったはず。決定力の違いが出たと思う。相手はチャンスが少ないなかで、決めてきた。毎回、それが課題ですね。
自分は前半、積極的にシュートに行っていたんですけど、ゴールに結びつけないといけなかった」

●河合竜二選手(横浜FM):
「残り試合では、サポーターが応援してくれているので、F・マリノスの意地を見せたい。今日は残念でしょうがない。試合前からみんな気合いが入っていたし、この試合に本当に賭けていた。内容自体は悪くない試合だったし、やりたいことができていた。
小椋は前に行き過ぎず、残ってくれる。気が利く選手なので、中盤はバランスよくやれていたと思う。天皇杯はACLを狙える残り唯一の大会だけに、ショックが大きいです」
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●木村浩吉監督(横浜FM):

「残り4試合、1つでも順位を上げようと練習をしてきた。いつも通りに良いトレーニングが出来ていたので、良いゲームが出来ると考えていた。
前節のビデオを見ていて、相手が前線を3枚にしていたが、今日は4-4-2だった。そのシステム変更はそれほど大きな問題でなかった。ボールも支配できていたと思う。ただ縦パスを狙われてカウンターの繰り返しになっていたので、それをハーフタイムで修正して、さらにもっとサイドを使うようにと指示をした。ある程度出来ていたが、点の取られ方が悪かった。
残り30分、誰が悪いということではないのだが、誰を代えるかの選択肢がたくさんあった中で、攻撃に変化をつけるために清水と山瀬を入れた。0-2になってからは、ボランチを1枚にしての4-3-3とした。点を取らなければならない状況だったので、リスクは大きくなるのは覚悟の上だった。もっと早く1点が入っていれば、同点、逆転できたのではないか。
敗れたが、選手は指示通り戦ってくれたし、持ち味も出してくれた。
気持ちを切り替えて、来週の天皇杯(11/15@日産ス 川崎Fvs富山の勝者と対戦)に臨みたい。天皇杯は、昨年準決勝で敗れているので、ぜひ決勝に進んで優勝したい。
今日も、本当に多くのサポーターが観戦に来てくれた。ウォーミングアップで掲げられた横断幕には、ジーンときた。勝利をプレゼントできず、申し訳ない」

Q:ハーフタイムではなく、前半の中で修正の指示は出来なかったのか?
「僕のセオリーで、舞台に上がったら選手が修正すべきだと考えている。試合はトレーニングしてきたことの発表の場。出来れば、なるべくテクニカルエリアに出てコーチングすることはしたくない。もちろん最後など、モチベーションを高めるために、歩み寄って声を出すことはあるのだが」

Q:12点目をあげた渡邉千真選手の成長ぶりについては?
「シュートの正確性はチームでも一番。FWという厳しいポジションなのにシーズン通してケガなく出来ている点は、他の選手も見習うべきなのではないだろうか。ずっと使ってきてよかった。素直に、もう一度、おめでとうと言いたい」



●渡邉千真選手(横浜FM):
「立ち上がりの入り方がちょっと悪くて、先制されてから、慌ててしまった。後半は自分たちの攻撃がある程度できたと思うんですけど、前半の入り方の悪さがそのまま続いた。
自分が点を取ったことよりも、チームが負けて、ファンやサポーターにいい試合を見せられなかったことが、とっても悔しいです。新人最多得点記録に関しては、目に見えないプレッシャーがあったと思う。まだ試合が残っているので、どんどん記録を伸ばしていければいいと思います。城(彰二)さんは高卒で、12点を取っているので、そっちの方がすごい。自分は大卒なので、それ以上を目指したいと思います。ゴールシーンは、相手DFが真ん中に多いなか、前を向けたので迷わず打ちました」

●松田直樹選手(横浜FM):
「こういう状況のなかで、絶対に勝たないといけない試合だった。プロとして本当に残念な結果でしたね。情けないです。向こうはカウンターしか狙っていなかった。それに対し、素直にサイドから攻められなかったことなど、たくさん課題があった」

●坂田大輔選手(横浜FM):
「前半から相手の勢いというか、相手のサッカーに飲まれた感じになった。自分自身も前半、何もできなかった。前半1本、裏に抜けた出したのはチャンスだった。あのあたりでゴールに結び付けられなかったので、こういう試合展開になってしまったと思う」

●長谷川アーリアジャスール選手(横浜FM):
「次、頑張るだけです。相手に縦パスを狙われていた。そういうなかで、サイドを狙ったり、いろんなやり方があったと思う。もうやられてしまったので、しょうがない。切り替えていきたい。相手に対しては、悪いイメージを持っていなかった。うまくハメられたかなという感じ」
●木村 浩吉監督(横浜FM):

「試合間隔が1週間空く中、2日間休んで5日間きちんとトレーニングしてこのゲームに臨んだ。ここのところ、選手のコンディションが良い。今日も、そういう状態の中でスタートした。
天皇杯の前回も長崎との対戦とカテゴリーが下のチームとの対戦だった。昨日、山形が明治大に敗れたように、下のリーグのチームとの対戦はやりにくい。そのやりにくい相手に、我々はやり方を変えるのではなく、相手よりもっと集中して試合に入るようにと話した。また、侮ったら必ずやられるよと強調して、選手たちをピッチに送り出した。
先週のJ1リーグ戦のG大阪戦では、金根煥と中澤のセンターバック・コンビだったが、金根煥がトレーニングで少し痛めたので、無理をすれば頭から出れる状態だったが、ベンチスタートとした。代わりのセンターバックには、松田を置く選択肢もあったが、松田と河合のダブルボランチが安定してきているので、ここは動かさずに小椋のセンターバックとした。
立ち上がり3本ぐらいだったが、いきなり相手がシュートを狙ってきた。前から来た。しかし気をつけていたので、ウチは非常に良い入り方ができていてピンチとはならなかった。ただし中盤でボールをつなげてもいたのだが、1-0となってからも攻撃ゾーンでパスで崩そうとしている場面が多かった。かなり優位に試合は進めていたのだが、ハーフタイムで修正しようと考えていた。ドリブルで仕掛けたり、シュートを打ったりしなければ、相手は怖くないだろ、と話した。
難しいゲームになると見ていた試合だったが、F・マリノスの選手は、最後まで運動量を落とすことなく、よく戦ってくれた。
また後半の丁東浩など若い選手たちも、良いプレーをしてくれた。田代をボランチで使うプランもあったが、相手の息が上がっていたので水沼を使い、右のワイドのポジションを任せた。2度、決定的なチャンスがあったが、決めることは出来なかった。あそこまでやれているが、アンラッキーだった。けれども、あそこまではやれているので、今後もチャンスがあれば起用していきたい。
Jリーグ公式戦でもそうだが、1失点は仕方がない。相手も攻撃の練習をしている。ただ、あのコーナーキックからの失点は守れない失点ではなかったが、不注意というか気が抜けたところでやられてしまう。いい経験になった。
福島は、思った以上に頑張るチーム。後半の終盤でも、息が上がっているはずなのにドリブルで仕掛けてきた。将来、Jリーグに上がってくるチームになるのではないか。石田監督はF・マリノスの育成組織でのコーチ経験がある監督。若いが、有望な指導者だと思う」

Q:これでベスト16。改めて、この天皇杯にかける気持ちを教えてください。
「J1リーグ戦では勝ち切れず引き分けが多い(ここまで11分け)。引き分けの半分が勝ちになっていれば優勝争いに加われているのだが…。
今日の試合中に小椋がセンターバックとボランチを務め、長谷川が中盤のサイドとボランチでプレーしたように、選手たちは複数のポジションでプレーしてくれている。誰が出ても遜色のないチーム作りが出来ていると思う。
天皇杯、ぜひ決勝に進んで、優勝を狙いたい」


●渡邉千真選手(横浜FM):
「立ち上がりは相手も集中しているなか、先制点を取ることができた。あの時、自分のところにボールが来たのは偶然ですね。前半はよかったが、後半に1点しか取れなかったことが問題。
相手DFはサポーターの後押しを受けて集中していたし、気持ちが入ったプレーをしていたと思う」

●小椋祥平選手(横浜FM):
「自分が水戸時代に、一緒にやっていた選手が相手に何人かいたので、懐かしかったです。再び戦えたことは、うれしかったですね。
試合自体は前半、入り方がちょっと悪く、危ないかなと思った。けれど、ラッキーではあったが、(渡邉)千真が点を取ってくれた。点を取れるまでは厳しいと思ってましたけど、取ってからは落ちついてボール動かして取ることができた。やっていて楽しかったです」

●松田直樹選手(横浜FM):
「自分の攻撃参加が多かったのは、点を取ることが本当に大事だったから。守備は『事故』が起こらないかぎり、ある程度やられないと思っていた。早い時間帯に点が取れてよかったですね。
途中交代? 自分はおじさんだから(笑)。交代になった理由はわからない。自分から交代したわけではないです」

●河合竜二選手(横浜FM):
「難しい試合になると思っていた。試合の入り方が本当に大事だと思っていました。立ち上がり、向こうはガンガンきた。でも、うちはあそこで受け身に回らなかったので、そこはよかったと思う。
マツさん(松田)が上がる機会が多かったけど、話し合ってそうしたわけではない。状況を見て判断する場合が多いです。また、天皇杯はACL出場権を狙える大会。次にフロンターレと対戦することになったら、ヤマザキナビスコカップで負けた相手だし、しっかりリベンジしていければいい」
●木村浩吉監督(横浜FM):

「Jリーグの試合も残り5つ。うちも開幕当初は優勝を目指していましたが、現実的に今はACL圏内を目指すために、残り5試合はすごく大事だよ、と選手にも言っていた。常に目の前の試合に対して100%準備をしているつもりですし、100%の力を今日も出せたと思う。
ヤマザキナビスコカップを含めてガンバとは3つやっていましたが、ガンバのホームゲームなので、もう少し前から来るのかなと思ったら、非常に帰陣が早く、そこはプランと違いました。立ち上がりのところは相手のDFラインの背後を、坂田らが狙うのが得意なので、背後を狙っていきなさいということでしたが、逆に相手が早く引く分、ポゼッションが出来たので、サイド攻撃も多少できたかなと思います。ケガ人が多少…栗原、山瀬と、出ている中で、今年ずっと選手には2~3のポジションをこなそうとスタートしていて、センターバックのところを、松田にしようか金にしようか迷った。金もずっと使いたかったんですが、中澤と栗原のところがなかなか不動でしたから。栗原のところに金を使いました。日本に来て約1年で、日本語も多少できるようになったので、コミュニケーションの部分でもほとんど問題なかったし、逆に言えば身体能力も高い、高さもある、いい選手だと思うのでこういう時じゃないと使えないと思って使った。センターバックのところでは大きな問題はなかったのかなと思います。
前々日の紅白戦で狩野健太が太ももを打撲して、どこまで持つかと思った。90分も出来たと思う。0−0の拮抗した状況を敗るために、どこかを代えなきゃいけないというので、兵藤と清水を使いましたが、誰を使ってもそんなに大きな戦力ダウン、アップはないと思うので、疲れが見えた選手、あるいはリズムを変えたい中で交代した。
前半から何度かチャンスがあった中で、なかなかゴールが割れず、後半も2~3チャンスあったんですけどね。それは逆にガンバも同じなので。0-0というスコアに満足はしていませんが、全員で集中して守備をしていましたし、そのへんは評価できるかなと。ただ3位以内を目指すためには、今日の引き分けは痛かった。もちろんガンバも優勝目指しているので、同じだとは思いますが。みなさんが見られてどう感じたか分かりませんが、うちのゲームだったんじゃないかなという気がするので、もったいなかったなと思います。ただ選手は最後まで、勝点3を穫りにいく気持ちは伝わってきたし、そのへんは遠くから応援に来てくれたサポーターも、ある程度満足しているかと思います。ただ点が獲れないと勝てない。今年は今日入れて引き分けが11ありますが、こういう試合をものに出来ないのが今の順位にいる理由かなと思います。前節は名古屋にロスタイムに逆転しましたが、今日もそういう雰囲気はありました。でも、なかなか点が獲れなかったですね。天皇杯をはさみますが残り4試合、なかなか3位以内は厳しいと思いますが、可能性がある限り1試合1試合全力で戦っていきたいと思います」


●坂田大輔選手(横浜FM)
「チャンス2本を僕がしっかりと決めていれば…外したので勝てなかったんだと思う。ガンバは思ったより引き気味だった。裏を狙って、カウンターを狙っていたんですけど…いいチャンスはあったんですけどね、決め切れなかった」
●木村浩吉監督(横浜FM):

「J1リーグ戦残り6試合と天皇杯は非常に大事だと話していた。また選手たちには、まず自分のためにサッカーをやるようにと言っていた。それがチームのため、サポーターのため、クラブのためになるんだよとも言っていた。
小宮山と山瀬がケガで、左サイドには両サイド出来る田中を起用した。右は天野でスタートした。ケネディが出てきたときに高さという点で不安もあったが、こういうケースで使わないといけないと考え、思い切って使った。
前半はアシストも含めて動き的には不満はなかった。後半の途中からケネディが入って、ロングボールが増えてきたので、田代に代えた。また天野は、後半に攻守の切り換えのスピードが各場面で目に付いていたことも交代させた理由だ。渡邉も先週の天皇杯でハットトリックをしていたが、今週、体が重そうというか、そんなに切れがなかった。逆に金根煥が良かったので、どこかで使いたいと思っていた。
今年、先制されると追いつくのがやっとで、逆転はたぶん初めてだろう。先制すると逃げ切れる形はあるのだが、先制されると逆転できない勝負弱さがあったので上位に進めなかった。久々にロスタイムに逆転できて、シビレました。サポーターの方も、こういうゲームはなかかな味わえないので、良い勝利だった。
この勝点3は大きい。ACLに絡める3位以内を目指せる。残り5試合、5連勝出来ればベストだが、1試合でも多く勝って、上位に絡めるようにやっていきたい」

Q:前半、攻めがなかなか機能しなかった。その理由は?
「入り方が大事だといっていたのだが…。ケネディがいないので蹴ってこないと予想したのだが、思った以上に背後を突いてきた。そのこぼれ球を拾えなかった。またスリッピーなグラウンドで、足もとで受けるのか、スペースで受けるのか、受け手と出し手の関係がうまくなかった。前半の20分過ぎからは、2トップに対して、どちらにするのかをはっきりするようにという指示をベンチから出した」

Q:渡邉千真へのタテパスが入ったところを相手のセンターバックに詰められてボールを取られたシーンが目に付いたが?
「中盤で相手を背にして一度ポイントを作ってボールを受けて、落としてから次にアクションを起こす。それが彼のプレースタイル。その点を考えれば、多少受け方に問題があったと僕は思う。ただ、新人選手にそれを言うより、自分のやりたいことをさせる方を選んでいる。渡邉の課題は、今それを意識させるべきでない。もし僕が来年も指揮を執るとしたら、それはキャンプで修正させたい」


●金根煥選手(横浜FM):
「自分は引き分けの場面で出場して、逆転できたのでよかったです。途中からDFラインに入った。久しぶりにDFとしてプレーしたけど、面白かったです(笑)。出場する時に監督からは、裏とか左右からのクロスに反応するようにと言われた」

●榎本哲也選手(横浜FM):
「こういう劇的な勝利は久しぶりじゃないかな。今年も含め、去年とか一昨年とかもなかったかも。久しぶりに足が震えたね。DF陣が頑張ってくれた。緊迫した試合だった。こういう試合は、チームにとっても自分にとっても一番いい。それで逆転できたし、今のチームの力が証明できた。ロスタイムでの決勝ゴールということで、粘り強さも出てきた」

●清水範久選手(横浜FM):
「天皇杯のV長崎戦で、結構、楽な展開で出させてもらった。今日は、今まで通りというか、スムーズに入れた。
打ったシュートは狙い通り? いや、あんまり足に当たらなかった。あそこで決めていれば最高だったけど…。まあ、俺はあんなもんでしょ(笑)」

●天野貴史選手(横浜FM):
「(1点目のアシストは)ピッタリ合ってよかったです。自分はチャンスが多くない。1試合に賭ける思いがある。試合に出たら、結果を残したいというのが、ずっと頭の中にあった。今日はアシストと、チームの勝利に繋がって、ほんとよかったです。これを継続していきたい。
守備は最後まで食らいつていこうかなと思った。(栗原)勇蔵くんとか(中澤)佑ニさん、(河合)竜二さん、(田中)裕介くんとかDFの人がカバーしてくれたので、助かりました。攻撃の選手とのコンビネーションも問題なかったです」
●木村 浩吉監督(横浜FM):

「非常にやりにくい試合になるだろうと思っていたら、案の定、立ち上がり、思うようにボールがつながらなかったが、前半に先制してから多少、よくなったのではないか。
前半終了間際の追加点がすごく大きかった。
相手が引いてきたら、多少ボールを回してサイドを変えてサイドから攻めようと考えていた。
Jリーグのチームを食ってやろうという意気込みがすごく伝わってきた。
ハーフタイムで、この暑さの中、もうちょっとボールを早く動かせと指示をした。そして立ち上がり15分をしのいだら、相手の足は止まってくるから、そうしたらもっとサイドからいける。
3点目が早めに入ったので、山瀬と7ヶ月ぶりになる清水を入れた。清水は合流して2週間で、まだ全然本調子ではないが、J1リーグ戦と違った大会で、若い選手よりもベテランを使った方がいろいろな意味で試合も落ち着くと考えた。
苦しい試合だったが、4点目が入ってからは落ち着いてできたかなと思う。ただ欲をいえば、もう少し攻撃ゾーンに入ったところで工夫があっても良かったのではないか。
長崎出身の渡邉がハットトリックだった。現在のウチの得点王だし、落ち着いて決める場面で決めていた。
遠い長崎まで、サポーターが応援に来てくれているのが支えになっている。
またJリーグを挟んで天皇杯の3回戦となるが、リーグが中段にいるので、天皇杯にぜひ優勝してACLの出場権を獲得したい」

Q:今日のディフェンスについては?
「前後半2回ずつ、カウンターからボールを持ち込まれた。相手は0-3になろうが0-4になろうが、あきらめずに1点を奪いに来た。
秋元が、公式戦初勝利。前半にFKからの佐藤由のシュートを防いだのが大きかった。多少不満はあるが、何回かあるピンチをしのいだのは良かった。
4-0になってからはディフェンスラインにゼロで行けと言っていた。その分、ウチのサイドの選手が攻撃に絡む回数は少なくなったかもしれない」

Q:V長崎の印象は?
「リーグ戦と天皇杯のビデオを見ていた。今日は、そのときと変えてきたようだ。もうちょっと前から来ていたし、またディフェンスラインでつないでいた印象がある。ウチが、前からプレスをかけていた。そのためにロングボールを多用していた。
2トップの二人ともボールが収まるし、良い選手だった。
もうちょっと手を加えれば、良いチームになるだろう」


●秋元陽太選手(横浜FM):
「公式戦初勝利は、素直にうれしいです。ずっと負けていたので。シゲさん(松永GKコーチ)にも負けのイメージを払拭するためにも、『今日は絶対に勝つぞ』と言われていた。
格下の相手との試合は、逆に難しい。前半に点が取れたので、それで楽になった。後半の立ち上がりにも点が取れて、後は自分たちのペースでできたと思う。0点に抑えられてよかったです。
ピンチはあまりなかったけど、前回出場した広島戦は持ち味を出せなかったので、今回は積極的に行きました」

●松田直樹選手(横浜FM):
「格下のチームとはやりづらい。逆に(佐藤)由紀彦がいたから、やりやすかった。全員が知らない選手だったら、嫌だった。それだと本当に気を抜いてしまう感じになる。由紀彦は燃えていたし、何回かいいプレーをやられた。アイツのパスとか、持っているものはすごいので、気が引き締まったかなと思う。そういう意味でアイツが相手にいてくれてよかった。まあ、アイツが起点だから、そこを潰せば大丈夫かなと思ったけど。
序盤の戦い方は難しかった。勝ててよかったです」

●渡邉千真選手(横浜FM):
「今日は地元の長崎での試合だった。こういう機会はないので、本当に楽しみにしていたし、結果も出てよかったです。昔、このグラウンドでたくさん試合をしたので、すごく懐かしかった。昔のことを思い出しながら、プレーしていました(笑)。両親とかいろんな方が観に来てくれていた。そういう人たちの前で、いいプレーをしようとした。モチベーションは高かったです。
リーグ戦はまだあるし、天皇杯は始まったばかり。一試合、一試合大事に戦っていきたい」
●木村浩吉監督(横浜FM):
「残り8試合、前節首位のアントラーズに、あまり内容はよくなかったが、後半守り切って2対1で勝てた。今年、幸か不幸か、幸の方は連敗がないこと、逆に不幸の方は連勝が1回だけなので、選手たちにはそこのところが上位に行けない要因だよと。あともうひとつあるのがアウェイで勝てないと。ホーム、アウェイ、ホーム、アウェイと大体交互に来るので、アウェイで勝てないと連勝はできない。今日は本当にサポーターもいっぱい入るだろうし、そういうなかでまずは多少押し込まれる場面があっても、連勝して横浜に帰ろうということでスタートした。ナビスコカップの準決勝で上に進めなかったが、ここからは1週間に1試合なので、かなりいい準備ができる。レッズさんと前回ナビスコで当たったときはかなりショートパスが多いかなと思ったが、ここ数試合はカウンターも浸透していた。逆に言ったら、ボールを取られた時点から一応守備はするが、それは遅らせるという意味での守備で、まずは遅らせて自陣に戻ろうと。逆にうちがショートカウンターでたぶんチャンスが来ると思うので、それをねらっていきなさいと。立ち上がり、すぐにCKから中澤佑二がこぼれ球を決めて、いい入り方ができた。そのあと、サイドを割られて追い付かれたが、前半の終了間際の追加点が大きかったかなと。

ハーフタイムには、全体的には悪くないので続けようと。後半30分までは同じ形で徹底してやろうと。ただ、相手も1点ビハインドの状況だったので、カウンターでまたチャンスが来るだろうと。河合からのスルーパスからの渡邉千真の左足のシュートが入っていればもっと楽だったかなと思うが、あと残り15分、疲れが見えてきた長谷川アーリア、狩野健太、ワイドの選手は結構運動量が求められるので、たぶんあそこはバテてくるだろうなと。ここのところずっと使っているが、守備要員というか、守備の要として金井や田代をクローザーとして起用した。あと渡邉千真と坂田のどちらかを代えて1点差を守り切ろうと思ったが、残り5分なので、金根煥の方がチャンスが来るかなということで代えた。後半はねらいどおりだった。レッズさんも最後蹴り込んで来る形になったし、うちのDFラインも最後は上がっていなかったので、そんなに怖い場面はなかった。でも、今選手たちがクールダウンしながら話していたが、最後のロスタイムの闘莉王のシュートの場面は、ああいうのは逆に当たってコースが変わって入っちゃったりするんだよねと笑っていた。2回目になるが、連勝できてよかったなと。まだ中断で混戦なので、あと7試合、できるだけ勝ち星を拾ってひとつでも順位を上げていきたい」

Q:攻撃の意識が強かったが?
「立ち上がりのところは、相手が4枚で、山田暢、細貝の両サイドが高い位置を取るので、坂田と千真(渡邉)には真ん中から、特に山田の裏をどんどんねらえという話はしていた。それが受け手と出し手のタイミングがうまく合った。なかなか通らなかっただけで、ああいう形は結構ある。出し手と受け手のタイミングが合っている場面は多かったかなと。裏を突けという話はあった。そんなに相手のラインが深くはないので、ショートカウンターで結構いけるだろうと。ビッグではないが、裏に抜けることでそういうチャンスはできていた」

Q:前半と後半の守備の内容について
「今、やり方的には4バックは横並びの4枚というイメージ。ただ、攻撃になったら長谷川アーリアと狩野健太がサイドに張っていても全然面白くないので、攻撃に入ったらボックスの形になりなさいと。その(中盤)4枚(DF)4枚が並んでいればそんなに相手にスペースは与えないし、それはトレーニングで徹底してやった。なかなか90分を通してはその形にはならない。逆にミスが起きてカウンターを食らうときだってあるだろうし、でも全体的な意識としては4枚4枚と。そういうところがかなりできていたかなと。攻撃になったときにボックスになる分、狩野健太と長谷川の戻りが遅れてくるときが、ちょっとピンチかなということ。後半は1点を守り切れというのは、残り15分からだが、選手の意識として守ってカウンターでいいだろうという意識が強かったと思うので、みんなほとんどの選手は守備から入っていた」

Q:終盤に得点を取りにいく意識が欲しかったのか?
「僕の本意としては、点を取りにいきたい。ただ選手の意識としては、1点勝っている分、守備から入ったんじゃないのかなと。ハーフタイムには『もう1点取ったら勝てるぞ』と選手を送り出した。
前節のアントラーズ戦は、後半はほとんど守りっぱなしだったが、あのイメージは僕のなかにはない。ただ、選手は守備の意識が今日も強かったかなと。ただ、今日は逆にカウンターからチャンスがあったので、その辺のところは凄いもったいないなという感じはする。もう少し順位が中位にいたり、上にいたら、もっと攻撃的なサッカーができたんじゃないかなと。降格圏内とか、そういう話は1回もしたことはないが、多少選手のなかにはあるのかもしれない。僕の本意としてはもうちょっと行って欲しいなというのはある」


●狩野健太選手(横浜FM):
「やることがハッキリしてきた。今日は外に出してから行こうというのをねらっていた。(外に出すというのは)相手を外に出させて仕掛けようということ。それが見事にはまった。コミ君(小宮山)も行ってくれるのでやりやすい。勝って結果も出せたので次につながると思う。取り敢えず結果を残せたことがよかった」

●河合竜二選手(横浜FM):
「相手の時間帯もあったが、その相手の時間帯で失点をしないことが重要。相手の流れを、自分たちの流れに持っていけるようにすることが大事だった」

●松田直樹選手(横浜FM):
「4-4-2にしてから、ブロックを作ろうというのは選手間で言っていた。そのなかでできない部分もあるが、それをカバーはできている。(チームとしてレッズの選手を狩野が外に追いやって奪うというのをねらっていたが)健太(狩野)に関しては、前半に守備のリスクもあったが、あいつに守備を期待するのはよくないし、このところしっかりと守ってくれている。FWふたりが溜めを作ってくれるし、途中から出てきたふたりも頑張ってくれている。アーリアとかも結果を出しているし、あとは宏太(水沼)とかまだ結果が出ていない選手が頑張ってくれれば。結果を出してくれることが楽しみ。チームの雰囲気はいい。監督からは、自分がほかの選手に厳しく言うとベテランだからみんなが萎縮してよくないと普段から言われているし、楽しくやれと言われている。自分は楽しくのびのびやれている」
●木村浩吉監督(横浜FM):

「今日のゲームはプラン通りといえば、プラン通り。内容はともかく、とりあえず勝ててよかった。
17節までで、ひと通り対戦して、18節からは相手の良さを消しながら自分たちの良さを出そうと、多少のリアクションを入れて戦ってきたつもりです。
今日の鹿島戦は、攻撃力のある鹿島に対して、今日は2トップ気味にしたが、まずは4人のDFラインと中盤の4人のブロックというかタテとヨコの関係でゾーンを空けないようにと指示をした。
逆に試合の立ち上がりは、DFラインの裏へロングフィードを入れてそのこぼれ球をサイドに展開してくるから、あいだを空けないようなディフェンスを心掛けるようにとも話した。
ボールを奪ったら、ショートカウンターというか、相手の前線の選手の戻りが遅いのでなるべく早くシュートまでいくようにという形で臨んだ。
立ち上がりに坂田の得点が素晴らしかった。しかし、その直後の時間帯での同点シーン。喜ぶのはいいが、得点後の5分ぐらいは特に集中して守るようにと普段から言っているのだが・・。でも渡邉の勝ち越しシュート、素晴らしかった。
後半、同じやり方で構わないがサイドの2対2になる場面、タテに破られないのはもちろんだが、クロスボールを上げさせるなと言った。また上げさせた場合のセカンドボールをうちが拾わないと、二次攻撃三次攻撃を来るぞとも話した。
残り15分ぐらいからは引いてカウンターでいいよとのメッセージも含めて選手交代をした。
後半、クロスボールのこぼれ球をきちんと収められる場面がたくさんあったと思うのだが、簡単に相手に奪われていたので、その点は不満です。
後半の出来はよくなかったが、勝ててよかった。次から浦和、川崎F、名古屋、G大阪と4試合、強いチームというか人気のあるチームと当たるのでサポーターもいっぱい入ってくれると思う。そういう中でウチのサッカーをやって、勝てるところを見せたい」

Q:中盤のアグレッシブなボールへのアプローチは、鹿島対策の面があったのか?
「今日は対策の部分が色濃かった。このぐらい集中してやれれば、どことやってもいいゲームは出来るだろう」

Q:今日も活躍した小椋について、優れているところをあげてください。
「トレーニングを見ていてもそんなに足も速くないし、肉体が際立って強靭というわけでもないが、ここという狙ったところへの執着心がすごい。練習のボール回しでのカットを狙う場面でも、驚くようなボールに届くシーンが何度もある。そういう点が試合に出る。ただし難点はフィード。たまにすごいとこをつけるねというボールはあるのだが、一流選手になるためには獲るだけではなく、獲った後のプレーでしょう」


●小椋祥平選手(横浜FM):
「1点目のアシストは、自分では全然、わらかなった(苦笑)。蹴ったところまでは覚えているけど、その後に自分は倒れたので、サカティー(坂田)がどういうふうに点を取ったかも、わからなかった。中を見たら、もうボールがゴールの中に入っていた。サカティーが相手より一歩、前に出ていたので、クロスを合わせることができて、よかったです。
でも、イエローカードはいらなかった。(次戦は出場停止で)ここからという時にチームに迷惑をかけるのが、申しわけないですね。
鹿島の得点はカウンターからが多いと、スカウティングに言われていた。今日はマツさんと自分のところで、ボールを奪われた時に、いかに相手の攻撃を遅らせられるかが大事だなと思っていた」

●榎本哲也選手(横浜FM):
「勝って、よかったですねえ。正直、コンディションは全然、良くなかった。それでも試合に使ってもらえて、自分としてはうれしかった。その分、監督とシゲさん(松永GKコーチ)の期待を裏切りたくなかった」

●中澤佑二選手(横浜FM):
「前回の鹿島戦も、後半は守ってばかりだった。今日も結構、攻められてチャンスを作られたが、最後は体を張って守れた。
2点目が大きかったかな。同点になった後、(シュートが相手DFの足に当たり)ラッキーな得点だったけど、打たないと何も始まらない。(渡邉)千真がシュートをあそこで打ったのは、いいことだったと思う。
後半に攻めることができれば、僕らは優勝争いできるチームになる力が付いたと言える。いつどこで誰が前線に飛び出すという判断ができないと」

●渡邉千真選手(横浜FM):
「10得点は、開幕前から自分で目標として設定していた。それが達成できてよかったと思う。でも、これで終わりではない。残りの試合があるので、取れるだけ取りたいです。
最近、先制されて苦しい試合が続いていた。今日はいい形で坂田選手がゴールを決めた。すぐ失点をしましたけど、自分のゴールで逆転でき、後はみんなが守備で頑張ってくれた」
●木村浩吉監督(横浜FM):

「先週、ナビスコカップの準決勝を戦い、決勝に残ることができなかった。2戦目、0-2からのスタートとなったが、追いついて逆転しようと全員で戦い、いい試合ができたと思う。ただ、その試合で飯倉が退場してしまい、今日は久しぶりの秋元をGKに使った。ただ、先制点となった柏木のミドルは、あれは打った相手を褒めるべき。代表クラスのGKでも、止められない。その後もFKで決められてしまった。

 1~2点は返せると思っていた。広島とはカップ戦も入れて3試合目だし、相手のやってくることもわかっていた。ポゼッションしてくるところを中盤でひっかけて、そこからショートカウンターを狙っていた。しかし、カウンターの形じゃないのにスピードアップしてしまって、ミスが増えてしまった。ポゼッションするべきところは、やはりつながないと。相手の網の中に、自ら入ってしまっていた。

 我々にとってみれば、後半立ち上がりの失点が痛かった。その後、栗原が前に上がっていった。パワープレーをやれと言っていないが、選手の意思でそういうプレーを選択した。相手陣内を押し込む時間が長かったが、逆にカウンターからピンチもあった。しかし、そこは追いつかないといけないので、仕方がない。とにかく、後半の失点が痛かった。
 3-3にできるシーンも、突き放されるようなシーンもあった。しかし、こういう1点差の試合を勝ちきれない。ただ残り9試合、一つでも勝って、混戦を抜け出したい。 

 雨の中、広島まで多くのサポーターが来てくれたのに、喜ばせることができなかったことは本当に申し訳ない。ただ、選手は最後まで追いつこうという気持ちを見せてくれた。その気持ちがある限り、問題はない。次に向けて、切り替えていくだけ」



●中澤佑二選手(横浜FM):
「体力的には意外とやれた。もっときつい、と思っていたけれど。いいメンタルで戦えたと思う。
 チームが勝てなかったことは残念。もったいない試合だった。まだまだ成長することが必要。ただ、可能性も感じたし、下を向かずに戦っていきたい。
 最終ラインが崩されての失点は、なかったと思う。ただ、1失点目はシュートが良かった。あのあたりが、広島の攻撃の良さ。3点目も仕方がないかな。
 GKは久しぶりの試合だったし、試合感覚が難しかったと思う。次への課題にしてくれたらいい。
 広島のポゼッションとウチのポゼッションとは違う。ウチは、敵が来ないのにバタバタしているし、そこでミスがある。広島は、みんながしっかりと意思統一されている」


●松田直樹選手(横浜FM):
「3ボランチでプレーする中で、トップ下やFWに入る感じで戦った。
 前半は、自分たちのミスから慌ててしまった。ゆっくりと攻めればいいのに、はまってしまった。失点の時間帯ももったいなかった。(秋元)陽太もすごく頑張っていたし、(失点は)チーム全体の課題。反省して、次に向かうしかない。
 広島にはホームでもアウエイでも負けた。しっかりと、負けを認めないといけない。この悔しさをバネに、また頑張りたい。
 ウチの場合、強い相手にはモチベーションが高くなる。それを保つことが、チームとしての課題。次の鹿島戦はモチベーションが高まると思う。そういうことを繰り返しているから、この順位なのかもしれない。もっとベテランがしっかりして、引っ張ってやっていきたい。
 陽太は試合前から『声を出していこう。盛り上げて下を向かずにやろう』と言っていた。本当に一生懸命やっていた。(飯倉は)6試合も出られないけれど、(榎本)テツもいるし、チームにとってマイナスになることは全くない。陽太の経験がチームにとっていい方向にいくと思う」
●木村浩吉監督(横浜FM):

「アウェイで0-2で負けているので攻撃的にいくしかしょうがなかった。中3日でミーティングを含めて選手の気持ちを盛り立て、引っくり返せるよと話して臨んだ。
頭からになるかは分からなかったが、後半勝負になると考えていたので、坂田と山瀬はベンチからのスタートとした。
前半、川崎Fは1戦目と同じような形できたし、ある程度攻撃的にも来てくれたので、こちらとしては願ってもない展開だった。
後半に山瀬と坂田を入れて、もうちょっとサイドから行こうと話した。
後半のいい時間帯に金根煥が間を抜け出してPKを獲得して、そのPKを山瀬も決めてくれた。
これからというところでの飯倉の退場は痛かった。若い選手なので、あの場面で飯倉がジュニーニョに向かって真っすぐ走って来たので、まずいという気がしたのだが、止める術がなかった。
若気の至りというものだろう。長いサッカー人生でこういう経験はあるのだと思う。飯倉だけではなく選手は勝とうと思ってカッカしてしまっている。だから、ああいう形でああいうことをされると、あんな事態を招いてしまうだろう。仕方がない部分はある。
松田がユニフォームを脱いでGKをやろうとしたが、結果的にロスタイムも7分もあったし、非常にもったいないゲームだった。
ただし、いつも言っているが、選手たちは指示通り最後まであきらめずに戦ってくれた。サポーターの方々も久々のタイトルで盛り上がっていた。追いつき逆転できるかとも思ったが・・・。クラブ、サポーター、選手も一生懸命やったが、上に行けなくて申し訳ない。
しかし、ここで切り替えないと。Jリーグもうかうかしていられない。広島戦が待っている。気持ちを切り替えたい。
Jリーグは残り10試合。ヤマザキナビスコカップは獲れなかったけど、気は抜けない。この1週間は気持ちを切り替えさせることに専念したいと思う。
ただJリーグ18クラブの中でベスト4に残れたわけだから、それぐらいの実力はあるというのは素直な実感です」

Q:山瀬と坂田を投入する後半の勝負どころとは、どういう展開をイメージしていたのか。
「中3日で3連戦を戦う中で、誰を使っても遜色はない。ただ川崎Fとの第1戦では、山瀬と坂田を先発させたが足にボールがついていない感じがした。けれども彼ら二人のスピードと強引な突破力は相手にとっては嫌なはず。ただ彼らを試合の頭から使ってやり切れず、後半に体力が落ちていくのは避けたかった。そこで交代で狩野や長谷川を起用しても状況を好転させるのは難しい。
立ち上がりはボールをつなげる選手、ボールを引き出せる選手と金根煥と渡邉を使った。ある程度ターゲットになるだろうと考えた。
前半に1点取れていればもっと楽だったし1-2でも、1-3でよかったが、アウェイでゴールが奪えていたら展開も変わっていただろう。
アウェイの第1戦と今日と、どちらがいいゲーム内容かはビデオを見直してみないと分からない。第1戦の0-2だが内容はそれほど悪くなかった」

Q:先制点が遅かったとは思うが、飯倉選手が退場になるまでは、だいたいゲームプラン通りだったのか。
「もちろんプラン通りのゲームではない。前半に1点が欲しかった。ただ、やろうとしていたことは間違っていなかった。ただどちらかといえば狩野と渡邉にボールが収まっていなかった。彼らがダメだというのではなく、坂田と山瀬を使えば、もっと良くなると考えたから交代した。
後半の早い時間帯での相手の退場はもちろんプランに入ってはいない」

Q:退場になった飯倉選手には、どういう言葉をかけたか。
「飯倉に関しては、ああいう場面で冷静になれるGKでなければといけないと思う。彼にとっても、僕にとっても、サポーターにとっても、クラブにとっても大きな痛手になったわけだが、それを彼一人を責めるわけにはいかない。彼自身が一番反省している。
彼を弁護するわけではないが、彼くらい勝ちたいという気持ちは全員が持っていてくれていたはずだ。
教えるつもりはないが、ジュニーニョのような時間をうまく使うプレーについては選手たちも感じてほしい。
榎本も一度、優勝のかかる大事な試合で退場となって、そこから大きく成長してくれた。長いサッカー人生で二度とやってはいけないことではあるが。
試合後、全員に言ったのは、『胸を張れ』ということ。ベスト4にも進めたし、あそこまで川崎Fを苦しめた。自信を持っていいと。そして切り替えろとも話した。そして飯倉には、『お前が一番切り替えなければいけない』と声をかけた」


●狩野健太選手(横浜FM):
「チャンスはたくさんあったと思う。前半からそれを決めるか、決めないかで大きく変わる。決めないと、こういう結果になってしまう。自分自身、いいパスはあったかもしれないけど、点を決められる場面があった。これが今の実力です」

●水沼宏太選手(横浜FM):
「途中からGKをやったのは、立候補したわけじゃない。俺がやるとは思っていなかった。しかも、点を決められてしまった。自分は疲れていなかったので、フィールドプレーヤーをやりたかった。けれど、チームのためだから仕方ない。何とかして、GKからでも攻撃しようとしたけど、やっぱりあそこからではできない。ほんと悔しいですね。
 GKは初めてやりました。どうしていいかわからなかったけど、とりあえず声を出した。みんな疲れていたから声をかけて、サポートをしてやろうと思った」

●栗原勇蔵選手(横浜FM):
「相手が1人退場して1点を取り、後はゆっくり残り時間で1点取れればという展開だった。まあ、いろいろあり、こういう悔しい結果になった。でも、フロンターレが上回っていたからこういう結果になったと思う。今日だけじゃない。第1戦も負けている。その合計で負けたので、すごく悔しい。
 CKは、いつもボンバー(中澤)を目がけてくるから、あまり自分にはボールが来ない。自分のところに来れば、それなりに当てる自信があった。前半もヘッドで折り返してチャンスを作った。相手には寺田さんとか、代表クラスの選手がいたけど、勝てる自信があるんでね。練習通りできたので、点に繋がらず悔しかった」

●田中裕介選手(横浜FM):
「1ー0という理想的な形で、残り20分を迎えられたので、本当にシナリオ通りだった。相手も1人少なくなったのに。でも、そこから勢いをうまく結果に繋げることができなかったのは、すごく悔しいですね。
自分は個人的に、最後にクロスを上げることができなかった。ちょっとふがいないというか、自分に腹立たしい部分がある。
 本当に、大樹を筆頭にみんな集中していた。ただ、最後の失点は相手の上手さが上だった。それはともかく2点取れなかったことが悔しいです」

●小宮山尊信選手(横浜FM):
「今は悔しい気持ちでいっぱい。だから試合のことは冷静に考えられないです。ただ、もっと冷静に繋いで、サイドチェンジを多くし、もう少しパスを回した方が相手は嫌だったかなと思いましたね。
 うちの金根煥は、相手にとってすごく嫌な存在だったと思う。彼を使うのは一つの手だとは思うけど、そこをいつも狙いつつ、3人目の動きとか、チームとしてのコンビネーションを増やしていかないと。
これからもっともっとレベルを上げていかなければいけない。リーグ戦もこれから強い相手との試合が続く。今日は今日で反省して、次に向いたい」
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