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 水沼監督は4バックへの転換に「チャレンジ」という言葉を選ぶ。そこには躍動感を取り戻すため「リスクを冒せ」という願いがある。再出発の初戦となった首位・浦和戦。現在の力量差では0―1は妥当な結果かもしれない。だが、肝心なのはリスクを冒せたか否かにある。

 先に流れはつかんだ。両サイドDFと守備的MF2人が前線に絡んで攻撃に厚みを加え、中盤を自由に支配する。が、シュートまで至らない。「良い形はできたけど、最後に連動性がなくて1、2人に任せきりになっていた」とMF吉田。本来なら最もリスクを冒すべきゴール前で、勇気と勢いがない。前半33分に先制を許すと流れまで手放し、後は「消極的に前にけるだけになってしまった」(DF中沢)。

 安定感がある3バックを捨て「チームを変えたい」と選手を鼓舞する監督のメッセージは非常に明確だ。だが少なくともこの日、選手はそれを体現できなかった。「(2けた順位に低迷し)失うものなんてないのだから、逆にゲーム内での冒険はしやすいはず。もっと勇気を持ってやらないと」。不慣れなサイドDFに挑戦している栗原の言葉を共有できなければ、4バックにした意味がない。


《選手コメント》

DF松田(ひざ痛を押して4試合ぶりの出場も白星ならず)ナビスコも含めて、レッズ戦4連敗は笑えない。サポーターに申し訳ない。この悔しさは来年返さないと。

MFドゥトラ 4バックは久々だったが、全体的にポジショニングも問題なかった。
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Jリーグ1部(J1)横浜M・水沼貴史監督が活気を失ったチームをよみがえらせようと必死だ。11日の首位浦和とのリーグ第30節(午後3時・埼玉ス)を前に3バックを4バックへ変え、これまでMF田中隼が務めることが多かった右サイドDFにセンターバックが本職の栗原を入れるなど、抜本的な改革に着手した。指揮官は「失った躍動感を取り戻させたい」とピッチで声を張り上げている。

 水沼監督がここまで自分の「色」を出すのは就任以来初めてだ。栗原の4バック右DFでの起用は非常に目新しい。「4バックも栗原の右も、前からやりたかったこと」。0-3という広島戦(10月28日)の完敗で、温めてきた改革案の実行に踏ん切りがついた。

 3バックの安定度は高い。だが安定から挑戦の気概は生まれないというのが監督の出した結論だ。「3枚にすれば落ち着く。でもそれでは何も起こらない。落ち着きたくないんだよ、おれは」

 安定感は数的優位から生まれる。監督に言わせるとそれこそが元凶だ。「人数が足りているという意識が運動量を少なくして、展開を間延びさせる」。サイドDFの攻撃参加で時に2バックにもなる布陣を採用することで、あえて危険にさらしたいのだ。人が足りなければ動かざるを得ない。それが攻守を活性化し流れをつくる。「やられる可能性はある。けれど、どこかで変えないと」

 来季の去就は未定だ。続投要請は今後次第。軽口ではあるが「プロの監督は全試合に進退をかけている」とドキリとすることも言う。強豪相手に新布陣へ挑戦することは大きな賭けだ。「だからこそ」と監督は言う。「ここで結果が出れば、何かが変わる」。球団側はその挑む姿勢を高く評価している。後は、結果が出るかどうかだ。
坂田が本格復帰の兆し
 前節先発復帰したFW坂田が、先制弾を挙げるなど本格復帰を印象付けた。

 前半6分、クロスを頭で決め、流れを呼び込む。「ヘッドはよく打つけど、入るのは珍しいよね」とおどけて見せた。だがそれよりも、88分間とほぼフル出場し、「少し前まではできなかった動きが、だいぶできるようになってきた」とうれしそう。座骨神経痛の不安も収まり「これからだね」と口調が明るい。

 水沼監督も「坂田は本来、チームの中心になってほしい選手。使って、自信をつけさせたかった。あれだけできたのは非常にうれしい」と手放しで喜んでいた。


リスク背負っても前へ
 終了の瞬間、水沼監督はこれまでになく力強いガッツポーズを見せた。「リスクを負ってでも前へ。それができた」。勇気を持ってアタックする。人が動き、ボールも動く。理想とする形で、ナビスコ杯準決勝で敗れた鹿島の鼻を明かした喜びが、拳の握りを強くした。

 前半6分、MFドゥトラのクロスにFW坂田が合わせる。「自分でも高く跳んだなって思った」。自身も驚く高さのあるヘッドになった理由は動き出しの早さ。マークが遅れ、フリーだったからこそ高く跳べた。MF山瀬功の得点もそう。自陣からの速攻が成功したのは、選手が一気に上がったからだ。

 監督は試合前、選手にこう話した。「こんな順位でも、常に来てくれる人がいて、年に一度の観戦を楽しみにしている人がいる。そんな人たちに応えよう」。選手は「前へ」の意思を強く持ったサッカーを、その答えとした。

 かつてJ屈指の人気クラブだった鹿島はタイトルから長く遠ざかり、観客が大幅に減少。アウエー席は空席が目立った。今季残りホームゲームは2試合。鹿島を他山の石とし、この日のような魅力的なサッカーを忘れたくない。
《DF那須が存在感示す》
 右ひざの痛みを訴えたDF松田に代わって先発した那須が、好守備を見せた。

 「ガンバのFWは能力が高いので、引いた位置から出てくるのを気をつけて、前でつぶすことを考えた」。代表FW播戸、リーグ屈指の点取り屋マグノアウベスという強力FW陣に対し、開始から持ち前の当たりの強さを発揮。競り合いをことごとく制し、存在感を見せつけた。

 だが最後の最後で金星を逃し、「失点のシーンはボールの失い方が悪かった」と残念そうだった。


《松田が長期離脱か》
 主将のDF松田が右ひざ痛を訴えて遠征メンバーから外れた。長らく抱える痛みで全治などは不明。残りシーズンを治療に専念する可能性も出てきた。

 工藤チームドクターによると、「無理をすればプレーができる状態だが、疲労蓄積もあり炎症がひどくなっている」とのこと。同ドクターは「今後のことは本人と話して決める。シーズン終盤ということも含めて、処置を考えたい」と話した。



《理想の形 少しできた》
 浴びたシュートは打った数の3倍の15本。引き分けで御の字だった。相手は2位のG大阪。価値あるドローを呼び込んだMF山瀬功の先制弾は、素晴らしかった。

 前半43分、回転トラップで相手DFをかわし、ゴール左上をズドンと射抜いた。「無意識に打った」と素っ気ないが、拙攻続きの前半を帳消しにする一発だった。

 「動きがFW的になっていた」と本人が言う1トップの前布陣から、2トップにシフトが変わり、前を向いてボールを持つ機会が増えた。「球をさばいてから前へ出るという、良さを思い出してくれた」との水沼監督の評価に、山瀬功は「(FWを最初に追い越す)2人目としてではなく3人目として飛び出していく理想の形が少しできた」と言葉を重ねる。司令塔らしいプレーだった。

 下位に甘んじるチームには今、明確な目標がない。しかし、「個人としては関係ない。その中でいかにレベルアップするかが大事」。2年以上のブランクから復帰してまだ3カ月あまり。「良かったころのイメージは持たないようにしている。単純に前を向く方が進みやすいから」。気持ちの持ち方が難しい終盤戦。一つの手本がここにある。



☆FW坂田(8月19日以来となる先発出場)全然駄目。やりたいことができなかった。体の面ではだいぶ動けるようになったから、次はそこに内容を加えたい。

☆DF田中裕(2年目で初のリーグ戦ベンチ入り)準備は万端でした。出られなかったのは仕方ないけど、これからまた頑張ろうと思えた。
監督交代の活気どこへ
 監督交代という”カンフル剤”で活気を取り戻したかに見えた横浜Mだが、再び元気がなくなってきた。

 水沼監督の就任から3-6-1のシステムを採用するが、運動量の少ない久保を1トップに置く布陣は後方からの飛び出しが不可欠。だがサポートがなくパスが回らない。MF山瀬功が「やみくもに走ってもパスの出し手とかみ合っていないと意味がない」と嘆くように、問題は運動量ではなく連動性を生む走りの質にある。歯車がどこかかみ合わない。

 後半に何度か迎えた好機を外すと、同30分にはセットプレーから決勝点を献上。空中戦で押された河合のオウンゴールを責めることはできないが、昨季から引きずる勝負弱さが再び顔をのぞかせた格好だ。

 もはや優勝争いが現実的ではなく、チーム全体の意欲を高いレベルで維持するのは容易ではない。ある選手は「監督が替わり気持ちの面では変わった」と話すが、それも結果が出続けてこそ。指揮官は「メンバーを固定してやってきたが、考える必要があるのかも」とシステムと先発の変更を示唆した。今季の残りは8節とまだ先は長い。キャリアをスタートさせたばかりの水沼監督だが、早くもその手腕が問われようとしている。


《水沼監督》
「2シャドーの奥と山瀬功が球をもらう位置が低くて飛び出す形ができなかった。2連敗は選手にとってショックだろうが、僕は前を向いてやっていきたい」

《松田直樹》
(セットプレーでの失点に)去年からずっと同じテーマ。いい加減、学ばないと。悔しさをためて、いつか爆発させたい。

《田中隼磨》
後半に決定機を外し)ああいうのを決めておかなければ。DFが頑張ってくれていたので、僕の1点があれば楽になったはず。


決め手を欠いた磐田は後半ロスタイム、菊地の右クロスに最後は前田が押し込んで競り勝った。横浜Mは前半から田中隼のミドルシュートなどの好機があったが、攻めが単調。後半30分、松田のPKも川口の好守に阻まれた。

山瀬”弟”が見せ場つくる
 MF山瀬功治の弟、MF山瀬幸宏が兄に代わって後半38分から今季4試合目の出場。ドリブルでサイドを崩し、鋭いクロスなどで見せ場をつくった。

 兄と同じトップ下が本職だが、持ち味は兄とは逆の利き足である左足の精度と威力。その破壊力はサテライトでは誰もが一目を置くところだ。

 横浜Mユース出身の22歳も今年で4年目。「水沼監督は元コーチだから、サテライトでいいプレーをしているのをきちんと見ていてくれる。これを続けていくしかない」と意気込んでいた。


宿命と向き合う23歳
 最後の最後、ロスタイムで失点。敗者の側には誰にとっても悔しい1点だが、その思いを最も強くかみ締めたのはGK榎本哲だ。

 試合後に開口一番、「今日は能活さんに負けた」と磐田の日本代表GK川口を引き合いに出した。後半30分の松田のPK阻止などは「ける前に能活さんの間合いになっていた」と映ったという。このプレーが勝敗の分岐点になったことを考えれば、榎本哲が口にした敗北感は正しい。

 だが横浜MのMVPもまた、GKだった。再三相手に独走を許す展開の中、ゴールに立ちはだかったのは榎本哲だ。後半、決定的な1対1を止めること3度。最後の失点も、はじいたクロスのこぼれ球が相手に渡る不運なもの。胸を張っていい内容だ。

 だが本人は「自分には(川口のような)雰囲気も信頼もまだない。それがあれば最後の苦しい時間帯でチームを引き締め、失点を防げたはず」。

 先発を奪ってから公式戦3勝1敗と勝率はいいが、毎試合1点ずつ失っていることに納得がいかない。「自分がミスして負ければ、すぐ代えられてしまうという危機感を持ってやっている」。次代を担う23歳は、賞賛と酷評が隣り合わせのGKの宿命と向き合っている。
選手信じ自発性喚起
 試合前、水沼監督が選手を前に語ったのは次のような言葉だった。「優勝の可能性は低い。そこで目指すのは2、3位という順位か。そうではない。個々に目標を立てて自発的にモチベーションを上げてほしい」

 果たして選手はそのげきに応えた。例えば先制点を決めた大島。昨季J2山形から入団したFWは「今の頑張り」が選手生命を左右すると自覚する。「結果は選択肢を増やすことにつながる」。横浜Mではベンチスタートが主。26歳と成熟期も近づき出場機会を求めての移籍も頭にはある。ピッチの上では1分も無駄にできない。

 決勝点の田中隼もそうだ。この日は日本代表オシム監督が視察。「代表で試合に出るためにはチームでの結果が必要だから」

 ナビスコ杯で敗退し、リーグ戦の優勝争いも脱落。指揮官は難しいかじ取りの中、ややもすれば個人プレーに走らせる恐れのある言葉を向けながら、選手を刺激し、同じ方向に向かわせている。主将松田は「貴史さんは選手を信じてくれる。だからサッカーが楽しくなった」。気付けば上位集団の尾は手に届くところに。中沢は「上位に嫌がらせをしないとね」と不敵に笑った。
☆上野スーパーロング
 守備的MF上野が見事なロングシュートで先制点を挙げた。

 前半18分。こぼれがフリーの上野の元へ。ゴールまでは約30メートル。「(直前に同じようなシュートがあったので)いいイメージで打てた」。右足を振り抜き、低い弾道でゴールネットに突き刺した。

 16日の福岡戦では10人の数的不利の状況で攻守に存在感を示した。サッカー専門誌の2誌がチーム最高の評価。この日も冷静な球さばきでゲームメークした。だが決勝進出はならず、試合後は「リーグで(頑張ります)」と言葉少なだった。


☆松田執念のゴール
 松田の勝ち越しゴールは、まさに執念の一発だった。

 直前に手痛い失点で同点になると、自ら進言してFWの位置へ。決勝進出に必要なのは2点差。迎えた後半37分、ロングボールをFWハーフナーが落とすと、松田は遮二無二ゴールへ突進。バランスを崩して倒れたが、ちょうど落ちてきたボールを、転んだままかかとでキックすると、そのままゴールへ。「どこに当たったかは全然覚えていない。とにかく点を入れたかった」

 その後も惜しいループシュートを放つなど見せ場をつくったが、最後は及ばず。「貴史さん(水沼監督)を胴上げしたかった」と肩を落としていた。




☆これからも攻撃的に
 2―1で勝ち、勝敗数と得失点では並んだが、アウエーゴール数によりナビスコ杯の敗退が決まった。

 スコアが示す通り内容で鹿島を上回った。出足が速く、集中力も高い。守備は危なげなく、攻撃でもMFが1トップの大島を追い越す形で好機を演出した。前半18分にはMF上野が先制弾。「やられる感じはなかった」とDF松田。逆転決勝の気配は濃かった。

 だが後半32分。FWハーフナーを投入した直後のFKだった。柳沢をハーフナーがマークし切れず、失点。「集中力が少し欠けていた。一番恐れていた形」。水沼監督の嫌な予感は当たってしまった。

 ただ上野の美しいロングシュートや松田が執念で奪った勝ち越しの泥臭いゴールなど、観衆を引きつける試合ではあった。試合後のサポーターの声援はいつもより大きく、長く続いた。

 状況はいま、尻すぼみに終わった昨季に近い。リーグ戦の優勝争いからは遠く、ナビスコ杯も同じく準決勝敗退。だが田中隼は言う。「今日のような攻撃的なサッカーをすれば自然と勝てるし、サポーターも喜ぶ。これを続けていきたい」。横浜Mは変わったと胸を張って言うためにも、戦いをやめてはいけない。
頭突き退場で悔い残す
 芸術的なループシュートで先制点を決めたFW久保だったが、前半26分に相手に頭突きを見舞って退場。悔いの残る試合となった。

 ことの発端は福岡・DF柳楽の執ようなマーク。それにいら立った久保がにらみ合いの末に、ドイツW杯決勝でフランス代表ジダンが見せたような一撃を相手の顔面に入れてしまった。もちろん一発退場。悪質な暴力行為で1試合の出場停止では済まなそう。「もう最悪。ゴールはよかったけど、本当に最悪」としきりに自分を責めていた。
山瀬功が好調をキープ
 MF山瀬功が好調を維持している。

 まず前半14分には久保へ絶妙のスルーパスを通し、先制点をアシスト。さらに後半24分には左MFドゥトラからの浮き球クロスをスライディングで押し込み、だめ押しの3点目を決めた。「あの打ち方しかなかった。ただ自分の得点よりも、苦しい中でチーム全体が守備の意識を高く保って勝てたことがうれしい」といつも通りフォアザチームを強調した。

 故障から復帰してまだ2カ月ばかりだがコンスタントに結果を出している。「今は純粋にサッカーを楽しめている。こんな気分で続けていければ」と上機嫌だった。



坂田らしさ ぎっしり
 前半35分からピッチに入ったFW坂田は「シュートチャンスすらないだろうな」と思っていた。FW久保が退場。1トップの坂田へのフォローはほとんどなかった。「うちは攻める気もあまりなかったからね」

 ただ「あの時だけは、DFがいなかった」と坂田。後半21分、パスを受けると、まずはDFのまたを通す。「バッチリ、狙い通り」。ボールはエンドライン際へ。シュートコースがない。「思い切り打つしかなかった」。強烈な弾道がGK頭上を抜けた。「どこのコースに行ったかもわからないよ」。機嫌がいいのは今季初ゴールというだけが理由ではない。スピードを生かした突破と豪快なシュート。自分らしさがぎっしりつまった一発だったからだ。

 7月、3度の肉離れの末に復帰すると、いきなり日本代表に選ばれた。だが足の付け根を痛めて再び離脱し、この日が3試合ぶりの出場だった。

 歯がゆい日々もこの一発で吹き飛ばした。20日にはナビスコ杯準決勝第2戦が控える。出場停止の久保に代わる坂田に懸かる期待は大きい。「とにかく中途半端なことはしない」。23歳の若武者が本領発揮のときを迎えようとしている。
Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ準決勝第1戦第1日は2日、カシマスタジアムで行われ、横浜Mは4度目の優勝を狙う鹿島に0─1で敗れた。

 アウエーの横浜Mは前半22分、鹿島・フェルナンドのミドルシュートで決勝点を奪われた。第2戦は20日、日産スタジアムで行われる。


激突で側頭部を3針縫ったFW吉田が後半44分までプレー。闘志のこもった後ろ姿でチームを引っ張った。

 問題の場面。「頭を打って、痛みを感じて触ったら血がべったりついた。これは駄目だと思って倒れた。絶対止めてくれると思ったのに」。しかしプレーは続行し、決勝点を奪われた。納得はしていない吉田だが、「それより試合に勝たないと」。包帯をぐるぐる巻きにしながらも、最後までゴールに迫った。

 「まだ0-1でしょ。ホームで勝って絶対決勝に行きたい」。借りはきっちり返すつもりだ。



活力もたらした采配
 いかなる競技にも一方の側に不運と映る判定がある。問題は、その後だ。拘泥し続けるか、気持ちを切り替えてプレーで悔しさを返すか。

 失点シーンがまさにそれだった。前半22分、FW吉田と鹿島DF岩政が激突。頭を打った吉田はピッチに倒れた。頭部のけがはプレーを止めるのが原則。だが岡田主審は続行を指示した。プレー中断をアピールしながら半端なプレーを続けるうちに、ミドルを決められた。水沼監督は試合後、「(負傷が)頭でしたから。流されたのは、非常に残念」と不満を隠そうとはしなかった。

 ただ、実際にハーフタイムで出した指示は「あれは忘れろ」。後半からMF上野に代えてFWの大島を投入。前線の起点を増やすことで選手の目を再びピッチ上へと向けた。前半の倍を数えたシュート数が、その采配(さいはい)がチームに集中力と活力をもたらしたことを物語っている。

 お家の一大事に監督要請を引き受けたOB監督が喫した初黒星。だが主将松田は変化を感じている。「監督が(水沼)貴史さんになって、チーム全体で助け合おうという雰囲気がある」。敗戦を次への糧とする力が戻ったかどうかは、逆転の決勝進出で証明すればいい。
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